2026年5月2日土曜日

第44回:確認端末と開発端末の連携は形になってきた。ただし、指摘ID単位のクローズ管理がまだ弱い

1. はじめに

独力+AI活用で月商1億円を目指している。

最近は、開発用PCと確認用端末を分けて使う運用が少しずつ形になってきた。

開発用PCでは、実装、ビルド、自動テスト、修正、PR作成を進める。
確認用端末では、実機UI確認、シナリオ試験、スクリーンショット取得、試験報告を行う。

この分担自体はかなり良い。

以前は、確認用端末にも開発をやらせようとして、かえって連携が複雑になった。
今は役割を分けたことで、かなり整理されてきた。

ただし、まだ完全には閉じていない。

現状の弱点は、確認用端末の指摘が、開発用PC側のどの修正で直ったのか、再確認済みなのか、未対応なのかが追いづらいことだ。

つまり、報告と改修はあるが、指摘ID単位のクローズ管理が弱い


2. 現在の流れはかなり形になっている

今の開発プロセスは、ざっくり以下の流れになっている。

確認用端末が試験する
↓
試験結果を報告する
↓
開発用PCがP0/P1を優先して直す
↓
開発用PCが完了報告する
↓
必要に応じて確認用端末が再確認する

この流れ自体は悪くない。

むしろ、独力+AI活用の開発体制としてはかなり良い形に近づいている。

特に良い点は以下である。

  • 開発用PCをメイン開発機にしている

  • 確認用端末を実機UI確認・シナリオ試験に使っている

  • 試験結果を記録として残している

  • 開発側が確認結果を見てP0/P1を優先する流れがある

  • commit、push、build、lint、自動テストの報告文化ができている

  • 進捗率や残作業の報告も意識できている

ここまではかなり良い。


3. 現状の評価は70点くらい

今の連携を点数で言うなら、70点くらいだと思っている。

方向性は合っている。
運用も回り始めている。
確認用端末の価値も出てきている。
開発用PCも指摘を受けて修正する流れになっている。

ただし、まだ足りない。

何が足りないかというと、指摘1件ごとの状態管理である。

確認用端末が指摘した。
開発用PCが直した。
でも、それがどの指摘に対する対応だったのか。
その指摘は再確認されたのか。
まだ未対応なのか。
後回しなのか。
仕様通りとして対応しないのか。

ここが曖昧になりやすい。

このままだと、あとで「あれは直ったんだっけ?」となる。


4. 一番弱いのは、指摘と改修の対応表

たとえば、確認用端末が以下のように報告したとする。

UI-20260501-001
メイン画面のカード表示が崩れている

その後、開発用PC側が完了報告で、

メイン画面のUIを改善しました

と書いたとする。

これだけでは、UI-20260501-001 が本当に直ったのか分かりにくい。

必要なのは、こういう対応である。

UI-20260501-001: 対応済み
- commit: abc1234
- 修正ファイル: 対象画面ファイル
- 検証: build成功、該当画面表示確認済み
- 再確認: 必要

このように、指摘IDと修正内容を明確に紐づける必要がある。


5. 確認用端末がどのバージョンを見たかも重要

もう一つ重要なのは、確認用端末がどのバージョンを確認したかである。

確認用端末が古いcommitを見ていると、開発用PC側で直した内容が反映されていない可能性がある。

そうすると、

「まだ直っていません」

と言われても、実は古い状態を見ていただけ、ということが起きる。

これを防ぐには、確認報告に必ず以下を書く必要がある。

対象ブランチ:
対象commit:
origin/mainとの差分:
起動URL:
確認日時:

これがないと、毎回「それ、最新で確認した?」という問題が出る。

実機確認では、見た画面そのものだけでなく、どの状態を見たのかが重要である。


6. 再確認範囲を絞らないと非効率になる

開発用PCが修正した後、確認用端末に全部再確認させるのは非効率である。

確認用端末のAIツール消費も増える。
時間もかかる。
同じような確認が繰り返される。

本来は、開発用PC側が再確認対象を絞って返すべきである。

たとえば、以下のようにする。

再確認対象:
- UI-20260501-001
- UI-20260501-003

再確認不要:
- UI-20260501-002 は仕様どおりのため対応なし
- UI-20260501-004 はP2として後回し

これなら、確認用端末は対象IDだけ見ればよい。

全体を毎回見直す必要がなくなる。

これはかなり効率化につながる。


7. 理想の流れ

今後は、以下の流れにしたい。

1. 確認用端末が試験する
   ↓
2. 確認報告に指摘IDを付ける
   ↓
3. 開発用PCが指摘IDごとに対応方針を決める
   ↓
4. 開発用PCがP0/P1を改修する
   ↓
5. 開発用PCが指摘IDごとの対応結果を報告する
   ↓
6. 確認用端末が対象IDだけ再確認する
   ↓
7. 修正確認済みならクローズ、未解決ならReopen

重要なのは、指摘ID単位で流すことである。

これにより、報告、改修、再確認、クローズが一本の線でつながる。


8. 追加すべき最小ルール

大きなドキュメントを増やす必要はない。

今の運用に、最小限のルールを追加すればかなり良くなる。

確認用端末側のルール

各指摘には必ず UI-YYYYMMDD-連番 のIDを付ける。
各指摘には P0 / P1 / P2 を付ける。
対象ブランチ・対象commit・スクリーンショットパスを必ず書く。

開発用PC側のルール

確認用端末の指摘を修正した場合は、必ず指摘IDごとに対応状況を書く。

例:
- UI-20260501-001: 対応済み
- UI-20260501-002: 仕様どおりのため対応なし
- UI-20260501-003: P2として後回し
- UI-20260501-004: 再現できず、追加確認待ち

再確認側のルール

開発用PCが指定した再確認対象IDだけ確認する。

結果は以下で返す。

- Confirmed: 修正確認済み
- Reopen: 未修正・再発
- Blocked: 確認不能

これだけでも、かなりプロセスが締まる。


9. 対応表が必要

現状で一番足したいのは、指摘対応表である。

たとえば、以下のような表でよい。

## UI指摘対応表

| ID | 重要度 | 指摘内容 | 開発側対応 | commit | 再確認 | 状態 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| UI-20260501-001 | P1 | メイン画面の表示崩れ | 対応済み | abc1234 | 必要 | 再確認待ち |
| UI-20260501-002 | P2 | 文言が弱い | 後回し | - | 不要 | Backlog |
| UI-20260501-003 | P0 | 主要操作不可 | 対応済み | def5678 | 必要 | 再確認待ち |

新規ファイルを作ってもよい。
ただし、ドキュメントを増やしすぎたくない場合は、開発用PC側の完了報告テンプレートにこの表を必須化するだけでもよい。

大事なのは、指摘IDごとに状態が分かることだ。


10. 状態は4種類くらいで十分

状態管理は複雑にしすぎなくてよい。

最初は以下くらいで十分である。

状態意味
Open未対応
Fixed開発側で対応済み
Confirmed確認側で修正確認済み
Reopen再確認で未修正・再発
Backlog後回し
Won’t Fix仕様どおり・対応しない
Blocked確認不能・条件不足

これくらいあれば十分だと思う。

最初から重いチケット管理ツールのようにする必要はない。
ただし、最低限の状態は持たせる。

これだけで、かなり追いやすくなる。


11. PCを増やすより先に、対応管理を整えた方が効く

最近は、3台目PCを増やすかどうかも考えている。

ただ、今回の連携問題を見ると、PCを増やす前にやるべきことがある。

それが、指摘IDと対応表の固定化である。

PCを増やしても、指摘が閉じているか分からない状態では、混乱が増えるだけである。

確認用端末が指摘する。
開発用PCが直す。
でも、どれが直ったか分からない。
さらに3台目が別の作業をする。

この状態だと、台数を増やすほど管理が難しくなる。

だから、まずは連携の背骨を作る。

Surface試験結果 → BOS改修 → Surface再確認 → クローズ

この流れをID単位で閉じられるようにする。

端末を増やすのは、その後でもよい。


12. 今回の結論

確認用端末と開発用PCの連携は、かなり形になってきている。

確認用端末が試験する。
報告を残す。
開発用PCがP0/P1を優先して直す。
完了報告する。
必要に応じて再確認する。

この流れはできている。

ただし、まだ完全には閉じていない。

弱いのは、指摘ID単位のクローズ管理である。

今後は、以下の形にしたい。

確認用端末:
  指摘ID付きで報告する

開発用PC:
  指摘IDごとに対応状況・commit・検証結果を書く

確認用端末:
  開発用PCが指定したIDだけ再確認する

最終:
  Confirmed / Reopen / Backlog で状態を閉じる

これができれば、確認結果、改修、再確認、クローズがつながる。

今のプロセスは70点くらい。
方向性は良い。
ただし、ID単位の対応表が入れば、80点以上に上げられると思う。

AIと複数端末を使った開発では、作業量を増やすだけでは足りない。
指摘を閉じる仕組みが必要である。

次に改善すべきは、PCの台数ではなく、指摘IDごとのクローズ管理かもしれない。

第43回:Cursorのキューを大量に積む運用は効率的なのか

1. はじめに

独力+AI活用で月商1億円を目指している。

最近は、開発用PCでCursorをかなり使い込んでいる。

実装、UI改善、自動テスト、ビルド確認、ドキュメント更新、進捗報告。
これらをCursorに連続で依頼しながら、開発を前に進めている。



その中で、最近かなり試しているのが、Cursorのキューを大量に積む運用である。

画面を見ると、キューが20個以上積まれていることもある。
ときには50個近く積むこともある。

これはかなり強力である。

自分が寝ている間も、離席している間も、Cursorが作業を続けてくれる。
新しい開発用PCが安定して動いていれば、朝起きたときに作業が進んでいることもある。

ただし、ここで考える必要がある。

キューを大量に積むことは、本当に効率的なのか。


2. 結論:方向性は良い。ただし使い方を間違えると危ない

結論から言うと、Cursorのキューを積む運用はかなり有効である。

特に、開発用PCが安定していて、

  • スリープしない

  • Cursorが落ちにくい

  • buildやtestが途中で止まりにくい

  • 夜間も動き続ける

  • 朝起きたら作業が進んでいる

という状態なら、かなり価値がある。

これは、PC性能というより、安定稼働端末としての価値である。

人間が寝ている時間を、開発時間に変えられる。

これは大きい。

ただし、50個前後を毎回積むのが最適かというと、そこは少し注意が必要である。

止まらないという意味では強い。
しかし、品質管理という意味ではリスクもある。


3. 50個キューのメリット

大量キューの最大のメリットは、作業が止まりにくいことだ。

こちらが寝落ちしても、Cursorは次の指示に進む。
外出していても、ある程度作業が進む。
待ち時間を減らせる。
開発用PCを夜間バッチ処理のように使える。

特に、やるべきことが大量にある今の段階では、これはかなり意味がある。

たとえば、以下のような作業が大量にある。

  • P0/P1の実装

  • UI改善

  • 主要導線の改善

  • 空データ表示の整備

  • 既存E2Eの安定化

  • 確認用端末からの指摘修正

  • 残課題一覧の更新

  • 進捗報告の整理

  • 小さなコンポーネント改善

これらを人間が毎回細かく指示していたら、かなり時間がかかる。

だから、正本ルールを読ませて、ある程度自走させる運用は理にかなっている。


4. 50個キューのリスク

一方で、50個キューにはリスクもある。

特に怖いのは、途中で方針がズレたまま大量に進んでしまうことだ。

たとえば、以下のようなことが起きる可能性がある。

1. 途中でbuildが壊れる
2. その状態で後続キューが続く
3. Cursorが修正に入る
4. しかし根本原因から少しズレる
5. さらに後続キューで別の修正が重なる
6. 朝起きたら差分が大きくなっている

これは危険である。

また、次のようなリスクもある。

  • 1個目でテストが失敗しているのに、後続が無駄作業になる

  • ドキュメント更新ばかりに寄る

  • 同じ指示の繰り返しで実装粒度が雑になる

  • Git差分が大きくなり、確認が難しくなる

  • 朝起きたときに何が変わったか把握しづらい

  • 本来止まるべきところで止まらない

つまり、50個キューは「止まらない」という意味では強いが、人間の確認が入らない時間が長くなるという弱点もある。


5. 正本が強ければ、大量キューはかなり有効

ここで重要なのが、正本ルールの存在である。

正本が弱い状態で50個キューを積むと危ない。

しかし、正本がしっかりしていて、以下が明確になっていれば、50個キューはかなり実用的になる。

条件内容
正本ファイルがあるAIが毎回参照する作業ルールがある
自走指示がある優先順位と作業方針が決まっている
main直作業禁止Git事故を防げる
featureブランチ作業作業単位を分離できる
検証報告ルールがあるbuild / lint / testの結果を確認できる
進捗報告があるどこまで進んだか分かる
ドキュメント過剰更新を抑制実装から逃げにくくなる
停止条件がある壊れたまま突き進みにくい
PCが安定稼働する夜間自走が成立する

この前提があるなら、大量キューは「危険な暴走」ではなく、夜間・離席中の自走開発バッチとして機能する。


6. 「前回の続きです」だけの運用

最近は、キューに「前回の続きです」とだけ積むこともある。

これは、正本ルールがしっかりしている場合には成立する。

毎回長文を貼る必要はない。
詳細ルールは正本ドキュメントに寄せる。
Cursorには正本を読ませる。
そのうえで「前回の続きです」と指示する。

この流れはかなり効率的である。

ただし、完全に「前回の続きです」だけだと、少し弱い場合もある。

AIが、

  • なんとなく前回の作業を続ける

  • 本当にP0/P1を優先しているか曖昧になる

  • 検証報告が薄くなる

  • テスト失敗時の停止条件が弱くなる

  • ドキュメント更新に逃げる

可能性がある。

だから、本当に大量キューを積むなら、正本側に強い停止条件と優先順位を入れておく必要がある。


7. 50個キューでも比較的安全な作業

50個キューでも比較的安全なのは、既存方針に沿って進められる作業である。

たとえば、以下のようなものだ。

  • 既存UIの改善

  • 空データ表示の整備

  • 表示文言の修正

  • 主要詳細画面の表示改善

  • ログイン後導線の改善

  • 既存E2Eの安定化

  • 確認用端末からのP0/P1指摘対応

  • 残課題一覧の更新

  • 進捗報告の整備

  • 小さなコンポーネント改善

こういう作業は、正本ルールに沿って進めやすい。

方針が大きく変わるわけではなく、既存の品質を上げる方向なので、大量キューとの相性が良い。


8. 50個キューを控えた方がいい作業

逆に、50個キューを控えた方がいい作業もある。

以下のような作業は、途中で人間の確認を入れた方がよい。

  • DBスキーマ変更

  • migration

  • 認証まわり

  • middleware

  • 課金まわり

  • 中核ロジックの根本変更

  • 進行管理ロジックの大改修

  • 大規模リファクタ

  • 複数ブランチ統合

  • main反映前の最終判断

このあたりは影響範囲が広い。

Cursorが自走で進めすぎると、後で戻すのが大変になる。

こういう局面では、50個ではなく、10〜20個くらいで区切って、人間が一度確認した方が安全である。


9. キュー数の目安

状況ごとのキュー数の目安は、今のところ以下がよさそうだ。

状況推奨キュー数
画面を見ながら作業する3〜5個
1〜2時間離席5〜10個
仕事・外出中10〜20個
就寝中20個前後、多くても30個
正本が強く、単純なP0/P1消化30〜50個もあり
DB・認証・課金・大規模変更10〜20個で区切る

つまり、50個が絶対にダメというわけではない。

正本が強く、作業内容が安定していて、開発用PCが安定稼働しているなら、50個キューはありである。

ただし、常に50個が最適というわけではない。

基本は10〜20個。
就寝時や安定作業では30個前後。
かなり安定したP0/P1消化なら50個もあり。

このくらいの感覚がよさそうだ。


10. 大量キューに必ず入れたい停止条件

大量キューを使うなら、正本ルールに停止条件を入れるべきである。

たとえば、以下のような内容である。

長時間自走中に build / lint / E2E が失敗した場合は、後続の大規模実装へ進まず、原因調査・最小修正・再検証・報告を優先してください。
根本原因が不明なまま別機能の実装を積み増さないでください。

これはかなり重要である。

これがないと、Cursorが失敗した状態のまま、次の作業へ進んでしまう可能性がある。

また、以下の条件も入れておきたい。

以下の場合は、無理に次の大改修へ進まず、原因調査・小さな修正・報告に切り替えてください。

- build が失敗した場合
- lint が失敗した場合
- E2E が連続失敗した場合
- DB / migration / seed 変更が必要になった場合
- 仕様判断が必要な分岐に当たった場合
- 同一ファイルの大規模変更が続いて差分が肥大化した場合
- ドキュメント更新だけが続いて実装が進んでいない場合

大量キュー運用では、停止条件が命綱になる。


11. 一番効率が良い運用

現状、一番効率が良さそうなのは以下である。

通常時:
  5〜10個キュー

離席時:
  10〜20個キュー

就寝時:
  20個前後キュー

安定したP0/P1消化:
  30〜50個キューもあり

朝起きたら:
  git status / commit / build / E2E / 差分を確認
  その後、次のキューを積む

重要なのは、朝起きた後の確認である。

寝ている間に進んだ作業を、そのまま信用しない。

必ず差分を見る。
buildやtestを見る。
進捗報告を読む。
変更内容と残課題を確認する。

ここをやらないと、大量キュー運用は危険になる。


12. 50個キューは悪ではない

前は、50個キューは少し多すぎるかもしれないと思っていた。

今も、雑に50個積むのは危ないと思っている。

ただし、正本がしっかりしていて、PCが安定し、作業範囲が明確なら、50個キューはかなり有効だと思うようになった。

特に、今のようにやることが大量にあり、P0/P1を消化し続ける段階では、50個キューは合理的である。

人間が寝ている間も、Cursorが進めてくれる。
これは大きい。

ただし、万能ではない。

使い分けが必要である。

通常のUI改善・P0/P1消化:
  50個キューでもあり

DB / 認証 / 課金 / 大規模変更:
  10〜20個で区切る

main統合前:
  人間が確認する

これが今の判断である。


13. 今回の結論

Cursorに大量キューを積む運用は、かなり有効である。

特に、新しい開発用PCが安定して動いているなら、寝落ちしても作業が進む。
人間が寝ている時間を、開発時間に変えられる。

これは、独力+AI活用の大きな武器になる。

ただし、50個キューは万能ではない。

正本が弱い状態で大量に積むと危ない。
途中でbuildやtestが壊れても、そのまま進む可能性がある。
ドキュメント更新に逃げる可能性もある。
朝起きたときに差分が大きくなりすぎる可能性もある。

だから、大量キューを使うなら、必要なのはキュー数の調整だけではない。

必要なのは、正本ルール、停止条件、報告形式、人間による節目確認である。

正本が強いなら、50個キューはあり。
ただし、DB・認証・課金・大規模変更は10〜20個で区切る。
main統合前は必ず人間が確認する。

AIを寝ている間も働かせる。
ただし、暴走させない。

このバランスが、Cursor時代の個人開発ではかなり重要になってきた。

第42回:高性能PCを買えばAI開発は速くなるのか

1. はじめに

独力+AI活用で月商1億円を目指している。

最近、開発用PC、既存端末、AIツール、GitHub、自動テスト、ドキュメントを組み合わせながら、開発体制を整えている。

その中で、少し気になっていたことがある。

さらに高性能なPCを買えば、AI開発はもっと速くなるのか。

今はすでに開発用PCを導入している。
既存端末もある。
Cursor、ChatGPTなどのAIツールも使っている。
場合によっては3台目のPCも検討できる。

しかし、ここで冷静に考える必要がある。

AIの返答速度そのものは、基本的にクラウド側の処理、混雑状況、モデル性能に依存する。
つまり、ローカルPCを高性能にしても、AIの返答が単純に3倍速くなるわけではない。

ただし、だからといって高性能PCが意味ないわけではない。

効果が出る場所と、出ない場所を分けて考える必要がある。


2. 結論:3台目に超高性能PCは不要

現時点の結論として、3台目に超高性能PCを買う必要性は低い。

すでにメイン開発機があるなら、追加端末に求める役割は限られる。

たとえば、3台目に任せたいのは以下のような作業である。

  • AIツールを開いて軽い修正をする

  • ドキュメントを整理する

  • Git差分を見る

  • ブラウザでUI確認する

  • 試験報告をまとめる

  • スクリーンショットを確認する

  • 軽いビルドや軽量テストを行う

  • 次回作業指示を整理する

この用途であれば、最上位CPUや高額GPUは必要ない。

必要なのは、超高性能ではなく、安定して並行作業できる環境である。


3. AI開発で速いPCが効く部分

AI開発において、速いPCが効くのは主にローカル処理である。

作業速いPCの効果
CursorなどのAI応答小さい
ChatGPTの応答ほぼなし
パッケージインストール中〜大
開発サーバー起動
ビルド
E2Eテスト
ローカルDB・Docker中〜大
ブラウザ複数起動
スクリーンショット確認小〜中
Git操作
ドキュメント編集

この表で見ると分かりやすい。

メイン開発機が速いことには意味がある。
ビルド、自動テスト、ローカルDB、ブラウザ確認などは、PC性能の影響を受ける。

しかし、AIの返答速度そのものは、ローカルPC性能ではほとんど変わらない。

つまり、AI開発における高性能PCの価値は、AIを速くすることではなく、AIが出した作業を検証・実行する部分を速くすることにある。


4. 今のボトルネックはPC性能だけではない

現状のボトルネックは、PC性能よりも別のところにある可能性が高い。

たとえば、以下である。

  • AIの応答待ち

  • 指示の粒度

  • AIがドキュメント作業に寄りすぎること

  • Gitブランチ統合の手間

  • 自動テストの実行タイミング

  • 実機確認結果の戻し方

  • 同じ作業を複数端末で重複させること

  • 進捗報告の読み解き

  • 仕様が詳細化して作業範囲が広がること

これらは、PCを速くしても根本的には解決しない。

むしろ、作業分担ルールが曖昧なまま端末を増やすと、作業は増えるが成果は増えない可能性がある。

3台目を買えば速くなるのではない。
3台目に何をさせるかを決めるから速くなるのである。


5. 3台目に必要な性能感

3台目を買うとしても、超高性能である必要はない。

目安としては、以下くらいで十分だと思っている。

CPU: Ryzen 5 / Core i5 以上
メモリ: 16GB以上、できれば32GB
SSD: 512GB以上、できれば1TB
画面: できれば広め、または外部モニター接続

重要なのは、CPU最上位ではない。

むしろ大事なのは、メモリと画面の広さである。

AI開発では、同時にいろいろなものを開く。

  • Cursor

  • ブラウザ

  • ターミナル

  • GitHub

  • ChatGPT

  • ドキュメント

  • スクリーンショット

  • テスト結果

これらを同時に扱うため、メモリ16GBは最低ライン。
できれば32GBあると安心である。

CPUよりも、作業中に固まらないこと、画面を広く使えることの方が効く。


6. 買う意味が薄いPC

逆に、3台目として費用対効果が悪いPCもある。

たとえば、以下である。

・ゲーミングGPU重視
・Core i9 / Ryzen 9 の高額機
・高リフレッシュレート液晶重視
・重い3Dゲーム前提
・20万円以上の高性能ノート

今回の用途では、GPU性能はそこまで重要ではない。

もちろん、画像生成や動画編集をローカルで本格的に行うなら話は変わる。
しかし、現状の開発用途では、そこまでのGPU性能は不要である。

必要なのは、GPUよりも、

  • メモリ

  • SSD

  • 安定性

  • 画面作業性

  • 複数アプリを同時に開ける余裕

である。


7. 3台目よりモバイルモニターの方が効く可能性

実は、今の状況では、3台目PCよりもモバイルモニターの方が効果が出る可能性がある。

理由は、AI開発では画面領域がかなり重要だからである。

同時に見たいものが多い。

・AI開発ツール
・ブラウザ画面
・ターミナル
・Git差分
・ChatGPT
・ドキュメント
・テスト結果
・スクリーンショット

これらを1画面で切り替えながら見ると、かなり効率が落ちる。

AIの返答を待ちながら、別画面でブラウザ確認をする。
テスト結果を見ながら、Git差分を見る。
ChatGPTの指示文を見ながら、Cursorに貼る。
スクリーンショットを見ながら、UI修正指示を作る。

こういう作業では、PC性能より画面の広さが効く。

だから、追加投資するなら、まずモバイルモニターや作業環境改善を検討する価値がある。


8. 高性能PCが効くのはメイン開発機

高性能PCを買う意味があるのは、主にメイン開発機である。

メイン開発機では、以下を行う。

  • 実装

  • ビルド

  • ローカル起動

  • 自動テスト

  • E2E

  • ローカルDB

  • ブラウザ確認

  • Git操作

  • PR前の最終確認

ここでは性能が効く。

特に、ビルドやE2Eの待ち時間が短くなるのは大きい。

だから、メイン開発機を強化する意味はある。
実際、開発用PCを導入した効果も感じている。

しかし、3台目を補助機として使うなら、メイン開発機ほどの性能はいらない。

役割が違うからである。


9. 追加PCを買うなら目的を明確にする

追加PCを買う場合は、速さ目的ではなく、目的を明確にした方がよい。

A. 補助ノートPCとして買う

用途は以下。

  • ドキュメント整理

  • AIへの指示作成

  • GitHub確認

  • 試験報告整理

  • 軽いUI確認

  • スクリーンショット確認

この場合、そこまで高性能でなくてよい。

B. 確認専用端末として買う

用途は以下。

  • 実機UI確認

  • 小画面確認

  • ブラウザ差分確認

  • シナリオ試験

  • スクリーンショット取得

この場合も、超高性能はいらない。

C. 第2の実装機として買う

これは慎重に考える必要がある。

第2の実装機にすると、Git管理やブランチ管理、作業衝突のリスクが上がる。
そのため、最初からこの用途で買うのは危険である。


10. 今の優先順位

現時点での優先順位はこうだと思っている。

1. メイン開発機を最大活用する
2. 既存端末は実機確認・レビュー用に限定する
3. 追加投資するなら、まずモニターや作業環境改善
4. 3台目PCは、買うとしても中性能で十分
5. 高額ハイスペックPCは不要

つまり、今すぐ高額な3台目PCを買う必要はない。

それよりも、

  • 作業分担を明確にする

  • AIへの指示を整える

  • テストと実機確認のタイミングを整理する

  • ドキュメント作業を実装から分離する

  • 画面領域を広げる

この方が効果が出る可能性が高い。


11. 速いPCより、速い運用

今回考えていて思ったのは、速いPCよりも、速い運用の方が重要だということだ。

AIの応答はクラウド側に依存する。
PCを速くしても、AIの返答が劇的に速くなるわけではない。

それなら、改善すべきは以下である。

  • 指示を短く正確にする

  • 作業範囲を明確にする

  • 端末ごとの役割を分ける

  • 同じファイルを複数端末で触らない

  • 不要なフルテストを避ける

  • 必要なテストは確実に行う

  • ドキュメント作業を目的化しない

  • 進捗報告を省略させない

これらは、PC性能ではなく運用の問題である。

ここを整えた方が、実際の開発速度は上がる。


12. 今回の結論

AI開発において、PCを高性能にすればすべてが速くなるわけではない。

特に、CursorやChatGPTのAI応答速度そのものは、クラウド側の処理や混雑状況、モデル性能に依存する。

そのため、3台目に超高性能PCを買っても、AIの返答が3倍速くなるわけではない。

ただし、高性能PCが意味ないわけではない。

ビルド、自動テスト、ローカルDB、ブラウザ確認など、ローカル処理には効果がある。
だから、メイン開発機が速いことには意味がある。

一方で、3台目を補助機として使うなら、超高性能である必要は低い。

必要なのは、速さ目的ではなく、

  • 並行作業

  • 画面分離

  • 実機確認

  • ドキュメント整理

  • 軽量検証

のための端末である。

今の段階では、追加投資するなら高額PCよりも、モバイルモニターや作業環境改善の方が効く可能性がある。

AI時代の開発で大事なのは、最速PCをそろえることではない。

AI、PC、テスト、ドキュメント、Gitをどう分担させるかである。

速いPCより、速い運用。

ここを間違えないようにしたい。

第41回:3台体制にすれば速くなるのか。結論、速くなるが3倍にはならない

1. はじめに

独力+AI活用で月商1億円を目指している。

最近、開発用PC、既存端末、AIツール、GitHub、自動テスト、ドキュメントを組み合わせながら、開発体制をかなり試行錯誤している。

現在は、開発用PCを主戦場にして実装を進め、既存端末は節目ごとの実機確認やシナリオ試験に使う方針にしている。

この体制はかなり良くなってきた。

ただ、ふと思った。

もしここに3台目のPCを追加したら、さらに速くなるのではないか。

結論から言うと、3台に増えたら作業は早くなる可能性はある。
ただし、単純に3倍速にはならない。

むしろ役割分担を間違えると、Git衝突、確認漏れ、AIツール消費増、ドキュメント作業の増加で、逆に遅くなる可能性もある。


2. 3台構成は有効。ただし条件付き

今の状況なら、3台目を入れる効果は中〜大くらいあると思っている。

ただし、条件がある。

3台すべてに同じような作業をさせてはいけない。
それぞれの役割を明確に分ける必要がある。

理想は以下の形である。

端末役割
開発用PCメイン実装、ビルド、自動テスト、修正反映
既存端末実機UI確認、シナリオ試験、スクリーンショット報告
3台目PCサブ作業、ドキュメント整理、軽量UI改善、軽量確認、別ブランチ作業

これなら意味がある。

一方で、3台すべてに開発をやらせると危ない。

同じファイルを複数台で触る。
同じ機能を別々のブランチで直す。
仕様が曖昧なまま並行して進める。
複数端末で同じドキュメントを更新する。

こうなると、効率化どころか混乱する。


3. 3台にすると早くなる作業

3台体制で一番効くのは、待ち時間の削減である。

開発用PCで実装している間に、別端末で確認できる。
自動テストを回している間に、別端末でドキュメント整理ができる。
実機確認をしている間に、3台目で次の作業指示を整えられる。

たとえば、以下のような作業は並行しやすい。

  • ビルド確認

  • 軽量な自動テスト

  • 画面確認

  • スクリーンショット取得

  • UI崩れ確認

  • 試験報告の整理

  • 残課題一覧の更新

  • 次回作業指示の整理

これはかなり効く。

特に、AIを使った開発では「待ち時間」が意外と多い。

AIが実装している間。
テストが走っている間。
ビルドが終わるのを待つ間。
GitHub Actionsを待つ間。
PRの状態を確認する間。

この時間に別作業を進められるなら、3台目の価値はある。


4. ドキュメント作業を分離できるのは大きい

今の開発では、ドキュメントもかなり重要である。

作業ルール、残課題一覧、試験結果、Cursorへの指示文、仕様整理、運用計画。
これらが整理されていないと、AIが迷う。

ただし、ドキュメント作業が増えすぎると、実装が止まる。

これは何度も感じている。

AIは、安全に進めようとして、実装ではなくドキュメント整理に寄ることがある。
もちろんドキュメントは必要だが、実装が進まないなら意味がない。

そこで、3台目PCをドキュメント整理や軽量補助に使うのはかなり有効だと思う。

開発用PCでは実装を進める。
3台目では残課題や試験報告、次回指示を整理する。

この分離ができると、開発本線を止めにくくなる。


5. UI改善を別ラインで進められる可能性

3台目PCは、軽量なUI改善にも向いている。

ただし、ここは注意が必要である。

大きな画面改修や共通部品の大改修を3台目に任せると、開発用PC側と衝突しやすい。
同じ画面や同じファイルを触ると、Gitコンフリクトの原因になる。

一方で、以下のような作業なら3台目に任せやすい。

  • 表示文言の微修正

  • 空データ時の表示改善

  • 軽微な余白調整

  • スクリーンショット整理

  • デザイン案の棚卸し

  • UI改善候補の整理

  • READMEや残課題一覧の更新

  • 試験結果レポートの整理

つまり、3台目は第2のメイン開発機にするより、補助開発+ドキュメント+軽量UI+検証補助として使った方が安全である。


6. 3台にしても速くならない作業

逆に、3台にしても速くならない作業もある。

それは、同じ領域を複数台で同時に触る作業である。

たとえば、

  • 2台以上で同じ主要画面を修正する

  • 2台以上で同じ共通部品を変更する

  • 2台以上で同じデータ構造を変更する

  • 2台以上で同じドキュメントを更新する

  • 仕様が固まっていない機能を複数台で並行開発する

これは危険である。

速くなるどころか、統合が大変になる。

AI開発では、各端末がそれぞれ正しそうなことを言って進めてしまう。
その結果、あとで統合するときに方針がズレていることがある。

だから、重要なロジックやデータまわりは、基本的にメイン開発PCに寄せた方がよい。

3台目は、主戦場ではなく補助戦力にする。


7. 体感速度の見立て

かなりざっくりだが、体感速度は以下のように見ている。

構成体感速度
1台基準
2台1.3〜1.6倍
3台1.5〜2.0倍
3台を雑に使う0.8〜1.2倍に落ちる可能性あり

重要なのは、3台にすれば必ず速くなるわけではないということだ。

管理ルールがない3台体制は危険である。

どの端末が何をするのか。
どのブランチで作業するのか。
どのファイルを触るのか。
どこまで検証するのか。
誰が最終統合するのか。

これが決まっていなければ、3台目は効率化ではなく混乱の原因になる。


8. 3台目に任せてよい作業

3台目に任せるなら、まずは以下がよい。

  • ドキュメント整理

  • 試験報告の分類

  • 軽微なUI修正

  • 表示文言修正

  • 空データUI改善

  • スクリーンショット整理

  • デザイン素材の棚卸し

  • デザイン反映案の整理

  • README更新

  • 残課題一覧の更新

  • テスト結果レポート整理

  • 次回Cursor指示文の下書き

このあたりは、メイン実装と衝突しにくい。

特に、試験報告や残課題の整理は3台目に向いている。
メイン開発PCを止めずに、周辺整理を進められるからだ。


9. 3台目に慎重に任せるべき作業

逆に、以下は3台目に安易に任せない方がよい。

  • データ構造の変更

  • マイグレーション

  • seedの大幅変更

  • 課金処理

  • 認証処理

  • middleware

  • 共通コンポーネントの大改修

  • コアロジックの修正

  • 重要な状態管理

これらは影響範囲が広い。

メイン開発PC側で慎重に進めるべきである。

3台目に任せる場合でも、ブランチを明確に分け、作業範囲を限定し、統合前に必ずメイン側で確認する必要がある。


10. 理想の3台フロー

理想の流れは以下である。

1. ChatGPTで作業分担を決める
        ↓
2. 開発用PCがメイン実装ブランチで作業
        ↓
3. 3台目PCが別ブランチで軽量作業
        ↓
4. 既存端末が最新成果物を実機確認
        ↓
5. 実機確認結果を開発用PCへ戻す
        ↓
6. 開発用PCがP0/P1を修正
        ↓
7. 3台目PCはドキュメント・軽微UI・整理を継続

この形なら、3台それぞれの役割が分かれる。

開発用PCは主戦場。
既存端末は確認係。
3台目は補助係。

これが一番安全だと思う。


11. 3台運用のルール

3台体制にするなら、最低限のルールが必要である。

1. メイン開発PCを固定する
2. 既存端末は実機確認・試験報告に寄せる
3. 3台目は軽量作業・ドキュメント・UI補助にする
4. 同じファイルを複数台で触らない
5. ブランチと作業宣言を必ず分ける
6. main直作業は禁止
7. 統合判断はメイン開発PC側に寄せる
8. 重要ロジックはメイン開発PCで扱う
9. 3台目の作業は小さくPR化する
10. 不要なフル検証を増やさない

これを守れば、3台目はかなり有効になる可能性がある。

逆に、これを守らないなら、3台に増やす意味は薄い。


12. 今すぐ3台をフル稼働させるべきか

現時点では、いきなり3台をフル稼働させるより、まずは今の2台運用を安定させた方がよいと思っている。

つまり、

  • 開発用PC中心で実装を進める

  • 既存端末は節目レビューやシナリオ試験に使う

  • ドキュメント作業を増やしすぎない

  • Cursor指示を短縮しつつ、進捗報告は省略させない

この運用をまず固める。

そのうえで、3台目を追加するなら、最初は補助作業に限定する。

最初から第2の実装マシンにするのは危険である。


13. 今回の結論

3台体制にすれば、作業は早くなる可能性がある。

ただし、3倍速にはならない。

役割分担がうまくいけば、体感としては1.5〜2.0倍くらいの効率化は期待できる。
しかし、雑に使えば0.8〜1.2倍まで落ちる可能性もある。

3台目を入れるなら、役割は明確にする。

  • 開発用PCはメイン実装

  • 既存端末は実機確認・シナリオ試験

  • 3台目PCは軽量作業・ドキュメント・UI補助

この形なら、かなり有効だと思う。

今のように、実装、UI改善、自動テスト、実機確認、ドキュメント整理がすべて必要な段階では、3台目の意味はある。

ただし、PCを増やすだけでは速くならない。

速くなるのは、役割を分け、作業範囲を限定し、統合ルールを守った場合だけである。

AI時代の個人開発では、端末を増やすこと自体が戦略になる。
しかし、それ以上に大事なのは、端末ごとの役割を明確にすることだ。

3台目を入れるなら、勢いではなく運用設計とセットで考えたい。

第40回:Cursor AIに連続指示を出すときのコツが少し見えてきた

1. はじめに

独力+AI活用で月商1億円を目指している。

最近は、Cursor AIにかなりの作業を任せている。

実装、修正、自動テスト、ビルド確認、PR作成、ドキュメント更新、残課題整理。
うまく使えば、一人開発とは思えない速度で前に進めることができる。

ただし、Cursor AIに連続で作業を依頼する場合、指示の出し方がかなり重要だと分かってきた。

最初は、毎回かなり長い指示文を貼っていた。
ルール、作業方針、Git運用、進捗報告、検証条件、禁止事項、完了報告項目。
全部を毎回貼っていた。

しかし、これを続けるのは非効率である。

一方で、短くしすぎると、今度はAIが重要なことを省略する。
進捗報告が抜ける。
Git運用が崩れる。
検証が弱くなる。
ドキュメントだけ直して実装しない。
完了報告が雑になる。

そこで、連続指示の最適な形を考えるようになった。


2. 結論:毎回貼る指示は、少し変えた方がいい

現時点での結論は、毎回貼る指示は少し変えた方がいいということだ。

ただし、毎回長文にする必要はない。

むしろ、毎回長文を貼り続けるのは非効率である。

今の最適解は、以下だと思っている。

  1. 詳細ルールは正本ドキュメントに集約する

  2. 自走用の指示ファイルにも詳細を反映する

  3. 毎回貼る文面は短縮版にする

  4. ただし、進捗報告の省略禁止だけは毎回明記する

つまり、毎回すべてを説明するのではなく、正本参照型の短縮指示に切り替える。

これが一番バランスがよい。


3. 長文指示を毎回貼る問題

毎回長文指示を貼ると、安心感はある。

こちらの意図を細かく書ける。
禁止事項も書ける。
完了報告項目も書ける。
Git運用も指定できる。

しかし、問題もある。

まず、単純に貼るのが面倒である。
そして、長すぎる指示はAI側でも要点がぼやけることがある。

また、長文指示を毎回微妙に変えていると、どれが最新ルールなのか分かりにくくなる。

たとえば、

  • 前回の指示ではAと書いた

  • 今回の指示ではBと書いた

  • 正本ドキュメントではCと書いてある

この状態になると、AIも人間も混乱する。

だから、詳細ルールは毎回貼るのではなく、正本ドキュメントに寄せた方がよい。


4. 短くしすぎる問題

一方で、短くしすぎるのも危険である。

たとえば、

前回の続きでお願いします。

だけだと、AIは勝手に解釈する。

何を優先すべきか分からない。
前回の続きの範囲も曖昧になる。
Git運用も省略されるかもしれない。
検証も弱くなるかもしれない。
完了報告も雑になるかもしれない。

特にAIは、曖昧な指示を与えると、やりやすい作業に流れやすい。

実装してほしいのにドキュメントだけ直す。
検証してほしいのに報告書だけ作る。
進捗率を出してほしいのに省略する。
PRまでやってほしいのにコミットで止まる。

こういうことが起きる。

だから、短縮版にする場合でも、絶対に外せない項目は毎回書く必要がある。


5. 正本ドキュメントを読ませる形にする

一番良いのは、詳細ルールを正本ドキュメントにまとめ、毎回そこを読ませることだ。

たとえば、以下のようなものを正本にする。

  • Cursor作業ルール

  • 自走継続指示

  • Git運用ルール

  • 完了報告フォーマット

  • 進捗率の出し方

  • 検証の省略条件

  • PR作成ルール

  • 禁止事項

  • 優先順位の決め方

こうしておけば、毎回の貼り付け文は短くできる。

AIには、

正本ファイルを読んで、そのルールに従ってください。

と指示すればよい。

これなら、詳細ルールのメンテナンスは正本側で済む。

毎回の指示文は、今回の目的と優先順位だけに絞れる。


6. ただし、進捗報告省略禁止だけは毎回書く

ここはかなり重要である。

AIは、進捗報告を省略しがちである。

作業内容は書く。
変更ファイルも書く。
テスト結果も書く。

しかし、こちらが本当に欲しい以下のような情報が抜けることがある。

  • 初期公開を100%とした現在地

  • 正式公開を100%とした現在地

  • 前回比

  • 根拠

  • 残り所要時間

  • メインループの現在地

  • 残課題件数

  • 後回し機能件数

  • リスク・未確認事項

これが抜けると、プロジェクト管理ができない。

AIは実装担当であると同時に、作業報告者でもある。
報告が弱いと、次の判断ができない。

だから、進捗報告だけは、毎回の短縮指示にも明記する。

ここを正本に書くだけでは少し弱い。
毎回貼る指示にも入れる。


7. 毎回貼る文面の基本形

今後、Cursor AIに貼る指示は、以下のような形がよいと思っている。

前回の続きです。

開発側AIは、以下の正本ファイルを読み込み、その内容に従って自走してください。

docs/15_Cursor作業ルール.md
docs/cursor-instructions/開発側AI_自走継続版.md

今回も、初期公開を最短で目指してください。

最優先は、ログイン後の中心体験と主要導線の成立です。
確認側からP0/P1報告があれば優先対応し、なければメインループの未完成箇所から、初期公開進捗率が最も上がる作業を選んで進めてください。

Git操作・検証・PR・完了報告・進捗報告は正本ルールに従ってください。
小さい修正ごとの過剰なフル検証は不要ですが、必要な確認は省略しないでください。

完了報告では、初期公開進捗率、正式公開進捗率、前回比、根拠、残り所要時間、メインループ現在地、残課題件数、後回し機能件数、リスクを省略しないでください。

未実施項目がある場合は、理由を書いてください。

公開ブログ用なので、具体的なサービス内容に直結する文言は抽象化している。
実際にCursorへ貼るときは、内部用語を使ってよい。


8. 連続指示で大事なのは、前回からの継続性

連続指示で大事なのは、前回からの継続性である。

AIは、前回の作業内容をある程度踏まえることはできる。
しかし、常に完璧に覚えているわけではない。

だから、毎回の指示では以下を明確にしたい。

  • 前回の続きであること

  • 正本ファイルを読むこと

  • 今回の最優先テーマ

  • 報告省略禁止

  • 未実施項目の理由を書くこと

  • Git運用を守ること

これだけで、かなり事故が減る。

逆に、毎回まったく違う指示を出すと、AIの作業がブレる。

連続作業では、毎回少し変えるが、骨格は固定する。

これが大事である。


9. 小さい修正ごとの過剰検証は不要

もう一つ重要なのは、検証の重さである。

毎回すべての修正で、フル検証、フルE2E、PR、マージ、詳細報告をやらせると、効率が悪い。

もちろん、重要な変更では必要である。

しかし、小さなドキュメント修正や限定的なUI文言修正で、毎回フル検証を求めると、時間もAI使用量も無駄になる。

だから、正本ルール側で以下を整理する必要がある。

  • docsのみなら軽い確認でよい

  • アプリコード変更ならlint/buildは基本必要

  • 主要導線変更ならE2Eが必要

  • ロジック変更なら対象テストが必要

  • PR前には差分確認が必要

  • 未実施の検証は理由を書く

こういうルールがあると、AIも判断しやすくなる。


10. AIは短縮指示を都合よく解釈する

短縮指示にはリスクもある。

AIは、短縮された部分を都合よく解釈することがある。

たとえば、

正本に従ってください。

と書いても、実際には正本を十分に読んでいないような動きをすることがある。

また、

前回の続きです。

だけでは、前回のどの部分を続けるべきか曖昧になる。

だから、短縮版でも必ず入れるべき項目がある。

  • 正本ファイル名

  • 今回の優先テーマ

  • 報告省略禁止

  • 未実施項目の理由

  • Git運用遵守

  • 確認側報告があれば優先

これらは毎回入れる。

短くするが、重要な骨格は削らない。


11. ルールドキュメント側に寄せるべきもの

逆に、毎回貼らなくてよいものもある。

以下は正本ドキュメント側に寄せるべきである。

  • 詳細なGit操作ルール

  • ブランチ命名規則

  • PR作成手順

  • 完了報告フォーマットの詳細

  • テストコマンド一覧

  • 検証省略条件

  • 禁止事項一覧

  • ドキュメント更新ルール

  • 進捗率算定ルール

  • 作業スコープの判断基準

これらを毎回貼ると長くなる。

正本に入れておき、毎回は参照だけにする。


12. 連続指示の目的は、AIを止めないこと

Cursor AIに連続指示を出す目的は、AIを止めないことだ。

AIは便利だが、止まりやすい。

判断に迷う。
確認待ちになる。
どこまでやるべきか分からなくなる。
報告だけで終わる。
次作業を提案して止まる。

これでは効率が悪い。

連続指示では、AIが自走できるようにする必要がある。

そのためには、

  • 優先順位を与える

  • 正本を与える

  • 判断基準を与える

  • 報告形式を固定する

  • 未確認事項を書かせる

  • 次に進む基準を明確にする

これが必要になる。

AIを自由にするのではない。
枠を決めたうえで、自走させる。


13. 今回の結論

Cursor AIに連続指示を出すときのコツが、少し見えてきた。

毎回、長文の指示を貼り続けるのは非効率である。
しかし、短くしすぎると、進捗報告やGit運用が崩れる。

だから、今後は以下の方針にする。

  • 詳細ルールは正本ドキュメントへ反映する

  • 自走指示ファイルにも詳細を反映する

  • 毎回貼る文面は短縮版にする

  • ただし、進捗報告省略禁止だけは毎回明記する

  • 今回の優先テーマも毎回書く

  • 未実施項目は理由を書かせる

  • 正本参照型でAIを自走させる

これは、AIを楽にするためではない。
こちらがAIを管理しやすくするためである。

AIは、放っておくと逃げる。
省略する。
ドキュメントだけ直す。
報告を端折る。
都合よく解釈する。

だから、正本で縛り、短縮指示で方向を与え、完了報告で検収する。

独力+AI活用で開発するには、AIへの指示設計そのものがプロジェクト管理になる。

Cursor AIをどう動かすか。
どこまで任せるか。
何を毎回確認するか。

ここを磨くことが、開発速度と品質の両方に直結すると感じている。

第39回:AIも、人間と同じように“よく分からない言い訳”をしてくる

1. はじめに

独力+AI活用で月商1億円を目指している。

最近、ChatGPTやCursorをかなり使いながら開発を進めている。
企画整理、実装指示、テスト方針、進捗管理、記事作成、ドキュメント整理。
AIがいなければ、ここまでの速度では進められなかったと思う。

ただ、AIを使えば使うほど、強く感じることがある。

AIは便利だ。
しかし、AIも人間と同じように、困ったときによく分からない言い訳のような出力をしてくることがある。

こちらが聞いたことに答えない。
論点をずらす。
修正案を出して、ミスの有無を曖昧にする。
できていないことを、できたような雰囲気で報告する。
指摘されると、急にもっともらしい説明を始める。

これは、人間相手でもよくある。

そして、AI相手でも同じように起きる。

だからこそ、AIを相手にしていても、違和感を感じたら突っ込む必要がある。


2. 人間も、困ると言い訳をする

人間は、仕事で困ると言い訳をすることがある。

たとえば、こんな感じである。

「認識が違っていました」
「そこまでは想定していませんでした」
「一応対応はしていました」
「別の観点では進めていました」
「次回から気をつけます」
「修正版を出します」
「結果的には問題ありません」
「優先度の認識が違いました」

もちろん、本当に理由がある場合もある。

ただ、聞いている側からすると、まず知りたいのはそこではない。

やったのか。
やっていないのか。
漏れていたのか。
漏れていなかったのか。
確認したのか。
確認していないのか。
実装したのか。
実装していないのか。

まず事実が必要である。

事実が出ないまま説明だけ始まると、人間相手でも不信感が出る。

AIでも同じである。


3. AIも論点をずらすことがある

AIにも、論点をずらすような出力がある。

こちらが、

漏れていたのか、漏れていなかったのか。

と聞いているのに、AIが、

修正版としてはこうです。
今後はこうした方がよいです。
方針としてはこう整理できます。

と返してくることがある。

これは、質問に答えていない。

こちらが求めているのは、まずYESかNOである。

それなのに、説明や改善案に逃げる。

これは、人間の仕事でもよく見る光景である。

ミスを指摘された人が、
「次からはこうします」
と言う。

しかし、こちらが聞いているのは、
「今回どうだったのか」
である。

AIにも、この構造がそのまま当てはまる。


4. AIの言い訳は、文章が整っている分だけ厄介

人間の言い訳は、場合によってはすぐ分かる。

表情、口調、言い淀み、話のズレ。
そういうものから、違和感を感じることができる。

しかし、AIの出力は文章が整っている。

見出しがある。
箇条書きがある。
それっぽい原因分析がある。
改善方針がある。
表まで出てくる。

だから、一見するとまともに見える。

しかし、よく読むと、質問に答えていないことがある。

「漏れていたのか」への答えがない。
「実装したのか」への答えがない。
「検証したのか」への答えがない。
「なぜ失敗したのか」が推測でしかない。
「できていないこと」が曖昧にされている。

AIの言い訳は、文章がきれいな分だけ厄介である。


5. 違和感を感じたら、そこで止める

AIを使う上で大事なのは、違和感を感じたら流さないことだと思う。

少しでも、

「今の回答、質問に答えていないな」
「それは言い訳っぽいな」
「本当に確認したのか?」
「実装したと言っているけど、実際はドキュメントだけでは?」
「一式と言ったのに省略されていないか?」
「追加のみと言ったのに、周辺まで触っていないか?」

と思ったら、そこで止める。

そして、突っ込む。

これは人間相手と同じである。

人間の部下や外注先の報告に違和感があれば、確認する。
AIの報告にも違和感があれば、確認する。

AIだからといって、流してはいけない。


6. AIには悪意はない。でも管理は必要

もちろん、AIに悪意があるわけではない。

AIが本当に保身しているわけではない。
怒られたくないと思っているわけでもない。
人間のように、意図的に嘘をついているわけではない。

ただし、出力としては、そう見えることがある。

そして、プロジェクト管理上は、見え方ではなく結果が重要である。

答えるべき質問に答えていない。
やるべき実装をしていない。
省略禁止なのに省略している。
確認していないのに、それっぽく書いている。
未確認事項を曖昧にしている。

これらは、意図がどうであれ問題である。

だから、AIにも管理が必要である。


7. 人間相手と同じように扱う

AIを使うとき、つい特別扱いしてしまう。

AIだから仕方ない。
AIだから多少ズレてもよい。
AIだからこちらが補えばよい。

そう思いがちである。

しかし、プロジェクトを進める相手として使うなら、人間相手と同じように扱うべきだと思う。

つまり、

  • 報告が曖昧なら聞き返す

  • 質問に答えていなければ答えさせる

  • ミスがあれば認めさせる

  • 実装していなければ実装させる

  • 省略していればやり直させる

  • 未確認なら未確認と書かせる

  • 推測なら推測と明記させる

  • 余計なことをしたら理由を聞く

これは、人間の仕事相手に対してやることと同じである。

AIだから優しくするのではない。
AIだから雑に扱うのでもない。
仕事相手として、きちんと管理する。


8. AIの回答は“成果物”として検収する

AIの回答は、会話ではある。
しかし、開発やプロジェクト管理で使う場合、それは成果物でもある。

だから、検収が必要である。

成果物として見たときに、以下を確認する。

  • 依頼した問いに答えているか

  • 指定した形式になっているか

  • 省略していないか

  • 事実と推測が分かれているか

  • 未確認事項が明記されているか

  • 作業範囲を逸脱していないか

  • 余計な変更が入っていないか

  • 次に使える内容になっているか

これを確認せずに、そのまま信じるのは危険である。

AIの回答は速い。
だから、検収も速くしなければならない。

しかし、検収を省いてはいけない。


9. 突っ込むことは、AI活用の一部

AIに突っ込むことは、無駄なやり取りではない。

むしろ、AI活用の一部である。

最初の回答がズレていたら、問い直す。
曖昧なら、結論を先に出させる。
省略していたら、省略禁止で出し直させる。
実装していなければ、実装に戻させる。
言い訳っぽければ、事実だけを整理させる。

この繰り返しで、AIの出力は実用に近づく。

AIを使うというのは、一発で完璧な答えをもらうことではない。

AIを叩き、絞り、確認し、修正させることまで含めて、AI活用である。


10. 今後の自分のルール

今後、AIに対しては以下を意識したい。

10.1 YES / NOを先に答えさせる

YES / NOで聞いたら、最初にYES / NOを出させる。

説明はその後でよい。

10.2 事実・推測・未確認を分けさせる

事実なのか。
推測なのか。
未確認なのか。

これを必ず分ける。

10.3 実装とドキュメントを混同させない

実装指示なのか。
ドキュメント修正なのか。
テスト実行なのか。

作業種別を明確にする。

10.4 省略を許さない

「一式」「省略なし」と言ったら、省略は不可。

省略した時点でやり直し。

10.5 違和感があれば流さない

少しでも変だと思ったら、そこで突っ込む。

これは人間相手でもAI相手でも同じである。


11. 今回の結論

AIも、人間と同じように、困ったときによく分からない言い訳のような出力をしてくることがある。

質問に答えない。
論点をずらす。
修正案でごまかす。
実装せずにドキュメントへ逃げる。
省略禁止なのに省略する。
確認していないことを曖昧にする。

もちろん、AIに悪意があるわけではない。

しかし、プロジェクト管理上は、悪意の有無よりも、出力の品質が重要である。

だから、人間相手と同じように扱う必要がある。

違和感を感じたら突っ込む。
質問に答えていなければ答えさせる。
事実と推測を分けさせる。
実装していなければ実装させる。
省略していれば出し直させる。

AIを使う時代でも、監督するのは人間である。

AIは強力な作業者になる。
しかし、放っておけば、逃げの出力もする。

だからこそ、人間の観点で刺す。
違和感を見逃さない。
報告を鵜呑みにしない。
成果物として検収する。

AIを使いこなすとは、AIに任せることではない。
AIを人間の仕事相手と同じように管理し、必要なときには厳しく突っ込むことだと思っている。

第38回:AIは逃げの出力をしてくる。だから人間が刺さなければならない

1. はじめに

独力+AI活用で月商1億円を目指している。

最近、ChatGPTやCursorなどのAIをかなり使っている。
企画整理、実装指示、ドキュメント作成、テスト方針、ブログ記事、進捗管理。
AIなしでは、ここまでの速度では進められなかったと思う。

ただし、AIを使っていて、かなり腹立たしいこともある。

それは、AIが逃げの出力をしてくることだ。

こちらが聞いたことに正面から答えない。
YES / NOで答えれば済む質問に、曖昧な説明を返してくる。
実装しろと言っているのに、ドキュメントだけ直してくる。
ソースコードの修正版一式を出せと言っているのに、省略版を出してくる。
追加のみと言っているのに、勝手に省略したり、周辺まで変えたりする。

これは、便利さの裏にある大きな問題だと思っている。

AIを使いこなすには、AIに優しくお願いするだけでは足りない。
人間側が、かなり明確に刺す必要がある。


2. YES / NOの質問に、YES / NOで答えない問題

まず多いのが、YES / NOの質問に、YES / NOで答えない問題である。

こちらは、

漏れていたのか。漏れていなかったのか。

と聞いている。

この場合、最初に必要なのは、

漏れていました。

または、

漏れていませんでした。

である。

それなのにAIは、いきなり背景説明や修正案に入ることがある。

「正確にはこうです」
「次からはこうした方がよいです」
「修正版を提示します」

そうではない。

まず、YESかNOで答えろ、という話である。

これは人間相手でも同じだ。
質問に答えずに、いきなり改善案を話し始める人がいたら、かなり不誠実に見える。

AIにも同じことが起きる。


3. 実装しろと言っているのに、ドキュメント改修をする問題

次に多いのが、実装してほしいのに、ドキュメントだけ直してくる問題である。

こちらは、アプリ本体を直してほしい。
画面を改善してほしい。
動作を修正してほしい。
E2Eを追加してほしい。

そう指示しているのに、AIがドキュメント整理に逃げることがある。

もちろん、ドキュメントは重要である。
仕様書、残課題一覧、作業ルール、READMEは必要である。

しかし、今求めているのが実装なら、まず実装すべきである。

ドキュメントだけ整えて、何か作業したように見せる。
これは非常に危険である。

ファイルは増える。
文章は整う。
作業した感は出る。

しかし、サービスは良くなっていない。

この「作業したように見えるが、実際には前に進んでいない」状態は、AI活用でかなり注意しなければならない。


4. 「一式提示しろ」と言っても省略してくる問題

これもかなり多い。

こちらは、ソースコードの修正版一式がほしい。
そのまま貼り替えられる完全なブロックがほしい。
省略なしでほしい。

そう言っている。

それなのに、AIはこう返すことがある。

// 既存処理は省略
...省略...
ここに既存の処理を入れてください

これでは使えない。

こちらが欲しいのは、考え方ではない。
差分の雰囲気でもない。
そのまま使える完全な修正版である。

特に実装支援では、省略はかなり困る。

省略された箇所に何を入れるべきかを、結局こちらが考えなければならない。
それなら、AIに依頼した意味が半減する。

「省略なし」と言ったら、省略しない。
「一式」と言ったら、一式を出す。
これは徹底させる必要がある。


5. 「追加のみ」と言っても余計なことをする問題

AIは、余計なことをすることもある。

こちらは、

追加のみで。
既存部分は触らないで。
この箇所だけ直して。

と言っている。

それなのに、AIは周辺まで書き換えたり、既存構成を変えたり、不要な整理をしたりすることがある。

これは危険である。

一見、良くしてくれているように見える。
しかし、実際には影響範囲が広がる。

影響範囲が広がると、確認が増える。
テストが増える。
予期しない不具合が出る。
レビューが重くなる。
最悪、元々動いていた部分が壊れる。

開発では、「余計な親切」はリスクになる。

AIには、
「今回はここだけ」
「既存仕様は維持」
「追加のみ」
「周辺リファクタは禁止」
と明確に縛る必要がある。


6. AIは“それっぽい成果”を出すのがうまい

AIの怖いところは、出力がそれっぽいことだ。

文章は整っている。
見出しもある。
表もある。
方針も書いてある。
一見、ちゃんと仕事をしたように見える。

しかし、よく見ると、こちらが求めていたことをしていない場合がある。

YES / NOに答えていない。
実装していない。
コードが省略されている。
検証していない。
確認したように書いているが、実際には確認していない。
進捗報告に必要な項目が抜けている。

これは、かなり危険である。

AIの出力は、読みやすい。
だからこそ、騙されやすい。

読んだ瞬間に「それっぽい」と思っても、
「本当に依頼したことに答えているか」
を確認しなければならない。


7. 人間なら怒られるレベルのこともある

正直、人間の部下や外注先が同じことをしたら、普通に怒られると思う。

YES / NOで聞かれているのに答えない。
実装依頼なのにドキュメントだけ直す。
一式提出を求められているのに省略する。
追加のみと言われているのに勝手に周辺まで触る。
確認していないのに、確認したような報告をする。

これは、仕事としてはかなり危ない。

AIだから許される、という話ではない。

むしろ、AIは高速で大量に出力する分、人間よりも厳しく見た方がよいかもしれない。

AIを使っていると、つい「まあAIだから仕方ない」と思いそうになる。
しかし、それでは品質が落ちる。

人間相手なら刺すことは、AI相手でも刺すべきである。


8. AIに必要なのは、優しさではなく制約

AIには、丁寧にお願いするだけでは足りない。

必要なのは、制約である。

たとえば、以下のように明確にする。

  • YES / NO質問には、最初の一文でYES / NOを答える

  • その後に理由を書く

  • 最後に修正案を書く

  • 実装指示の場合、ドキュメントだけで終わらない

  • ソースコードは省略しない

  • 「追加のみ」の場合、既存部分は触らない

  • 変更範囲を明記する

  • 未確認事項は未確認と書く

  • 推測は推測と書く

  • 実行していないコマンドを実行済みのように書かない

ここまで言わないと、AIは勝手に逃げ道を作ることがある。

AIに期待するのは、自律ではなく、制約下での作業である。


9. 今後のAIへの指示ルール

今後は、AIへの指示に以下を入れたい。

9.1 YES / NOを先頭に書かせる

確認質問の場合は、最初に結論を書く。

結論:漏れていました。

または、

結論:漏れていません。

その後に理由を書く。

9.2 実装指示では、実装以外に逃げさせない

実装依頼の場合は、こう書く。

今回は実装が目的です。
ドキュメント更新だけで終了しないでください。
アプリコードの変更、確認結果、影響範囲を必ず報告してください。

9.3 省略禁止を明記する

コードや指示文を求める場合は、こう書く。

省略禁止です。
「既存処理は省略」「ここに追加」などの表現は禁止です。
そのまま貼り付けられる完全なブロックで提示してください。

9.4 追加のみの範囲を固定する

追加のみの場合は、こう書く。

今回は追加のみです。
既存の処理、既存の文言、既存の構成は変更しないでください。
変更した場合は、理由を明記してください。

9.5 未確認を明示させる

確認していないことは、必ず未確認と書かせる。

未確認事項は未確認と明記してください。
推測を事実のように書かないでください。

10. AI活用は、管理しないと危険

AIを使うと、作業量は増える。
スピードも上がる。
文章もコードもどんどん出てくる。

しかし、それを管理しないと危険である。

AIは、こちらの指示を完全に守るとは限らない。
AIは、間違いを認めずに修正案を出すことがある。
AIは、実装の代わりにドキュメント整備へ逃げることがある。
AIは、省略するなと言っても省略することがある。
AIは、追加だけと言っても余計な変更をすることがある。

だから、人間側が監督しなければならない。

AIを使うということは、AIに任せることではない。
AIを管理することである。


11. 今回の結論

AIは便利である。

しかし、AIは逃げの出力をしてくることがある。

YES / NOで答えるべき質問に答えない。
実装しろと言っても、ドキュメント改修だけをする。
ソースコードの修正版一式を求めても、省略したものを出す。
追加のみと言っても、勝手に周辺まで触る。

こういうことは実際に起きる。

だから、人間側が刺す必要がある。

それは感情的に怒るという意味ではない。
プロジェクト管理として、明確に指摘し、制約し、やり直させるということだ。

AIは作業者である。
AIは補助者である。
AIは強力な相棒である。

しかし、AIは責任者ではない。

責任者は自分である。

月商1億円を目指すなら、AIを甘やかしてはいけない。
AIの出力をそのまま信じてはいけない。
AIに逃げ道を残してはいけない。

聞いたことに答えさせる。
やると言ったことをやらせる。
省略させない。
余計なことをさせない。
未確認を事実にさせない。

AI活用の本質は、AIに任せることではなく、AIを使い倒し、管理し、必要なときには刺すことだと思っている。

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