2026年5月4日月曜日

第52回:体験設計の考慮が甘かった。内部処理の都合を、ユーザー画面に漏らしてはいけない

 1. はじめに

独力+AI活用で月商1億円を目指している。

最近、かなり大きな気づきがあった。

それは、体験設計の考慮が甘かったということだ。

画面の見た目を良くする。
アイコンを改善する。
導線を整理する。
ボタン文言を直す。
自動テストを追加する。

こうした改善はもちろん重要である。

ただし、それ以前に、その画面がユーザーにとってどんな体験であるべきかをもっと明確にしなければならなかった。

内部処理としては、すでに結果が生成されている。
内部的には、保存済みデータをもとに画面を組み立てている。
開発者目線では、それを「リプレイ」「再生」「結果からの表示」と呼びたくなる。

しかし、ユーザーにとって初めて見る体験は、そうではない。

ユーザーから見れば、まさにその瞬間に初めて体験するイベントである。

そこに開発者都合の文言やUIが出てしまうと、一気に没入感が壊れる。
元の議論でも、初回体験と2回目以降の見返しを分ける必要性、そして内部実装都合を通常画面に出さないことが整理されていた。


2. 開発者視点では「再生」でも、ユーザー視点では「初体験」

今回の反省点はここである。

開発者視点では、すでに生成された結果を表示している。
だから、つい「再生」「リプレイ」「プレイヤー」のように考えてしまう。

でも、ユーザー視点では違う。

初めてそのイベントを見るユーザーにとっては、それは過去データの再生ではない。
今まさに、自分が結果を知る瞬間である。

ここを間違えると、画面全体が安っぽくなる。

たとえば、初回体験なのに、

  • リプレイ

  • 再生

  • プレイヤー

  • 簡易表示

  • 結果から生成

  • ライブではありません

  • 次フェーズ

のような文言が前面に出ると、ユーザーは一気に現実へ戻される。

「これはゲーム内の体験ではなく、開発中の確認画面なんだな」

と感じてしまう。

これはかなりまずい。


3. 実装の都合が画面に漏れていた

今回の問題は、単なる文言ミスではない。

実装の都合が画面に漏れていたことが問題である。

開発側からすると、内部的にどう表示しているかは重要である。

データがいつ作られるのか。
どの時点で結果が確定するのか。
画面側では何を受け取って表示するのか。
テストではどう再現するのか。

これは開発上は重要である。

しかし、それをユーザーにそのまま見せてはいけない。

ユーザーが見たいのは、内部処理の説明ではない。
ユーザーが体験したいのは、サービス内の世界である。

「これは確定結果を元にした表示です」
「これは実際のライブではありません」
「これは簡易リプレイです」

こうした説明は、開発者にとっては正直かもしれない。
しかし、体験設計としては弱い。

正直であればよい、という話ではない。

ユーザー体験として、どの文脈で見せるべきかが重要である。


4. 初回体験と2回目以降は分けるべきだった

今回もっとも重要なのは、初回体験2回目以降の見返しを分けることだ。

初回は、ユーザーにとって結果を知る瞬間である。
だから、画面上は「今から見る」「見守る」「結果を知る」体験であるべきだ。

一方で、2回目以降は見返しでよい。

一度見た後なら、

  • もう一度見る

  • 見返す

  • 回顧する

  • 振り返る

という文脈で問題ない。

つまり、同じ画面でも、ユーザー状態によって見せ方が違う。

初回は「体験」。
2回目以降は「回顧」。

この区別が必要だった。

これを区別しないまま、最初から「リプレイ」的に見せてしまうと、一番大事な初回体験を壊してしまう。


5. ユーザーごとの体験状態が必要になる

初回と2回目以降を分けるには、当然ながらユーザーごとの状態管理が必要になる。

そのユーザーが、そのイベントを初めて見たのか。
途中まで見たのか。
最後まで見たのか。
もう一度見返したのか。

こうした状態を持たないと、画面文脈を切り替えられない。

最低限、以下のような状態が必要になる。

  • まだ見ていない

  • 見始めた

  • 最後まで見た

  • 見返した

最初から本格的なDB実装までやるかは別として、仕様としては必要である。

ここを設計しないまま画面だけ作ると、すべてのユーザーに同じ表示を出すことになる。

その結果、初回体験なのに見返し扱いになる。
あるいは、見返しなのに初回のように見える。

これは体験として不自然である。


6. 結果を先に見せすぎる問題

もう一つ重要なのが、結果のネタバレ問題である。

ユーザーがまだ初回体験を終えていないのに、別画面で詳細結果が見えてしまう。
通知や履歴や一覧で、先に結末が分かってしまう。
その後に体験画面へ行っても、もう驚きがない。

これはかなりもったいない。

もちろん、すべての画面で完全に結果を隠すのは大変である。
初期段階で一気にやると、影響範囲も大きい。

ただし、少なくとも主要導線では考慮すべきである。

未体験のものについては、詳細結果よりも「体験へ進む」導線を優先する。
体験後に、結果、詳細、記録、回顧を表示する。

この順番を守るだけで、かなり印象が変わる。


7. 操作UIも体験を壊すことがある

今回、文言だけでなく操作UIも見直す必要があると感じた。

たとえば、動画プレイヤーのようなUIが前面に出すぎると、体験ではなく操作ツールに見えてしまう。

速度変更自体は便利である。
一時停止も必要かもしれない。
最初から見返す機能も、2回目以降ならあってよい。

しかし、それらが初回体験の中心に出すぎるとよくない。

特に、開発者向けの「次フェーズ」のような操作は、通常画面に出してはいけない。

それは完全にデバッグ機能である。

一般ユーザー向けには、画面の世界観に合った言葉にする必要がある。

「再生」ではなく「見る」。
「プレイヤー」ではなく「体験画面」。
「次フェーズ」ではなく、そもそも通常画面には出さない。

こういう細部が、体験の品質を左右する。


8. 画面名も重要

画面名もかなり重要である。

内部URLやコンポーネント名は開発都合でよい。
しかし、画面上に出るタイトルはユーザー体験に合わせるべきである。

初回なら、初回体験としての名前にする。
2回目以降なら、見返しや回顧としての名前にする。

同じ内部画面でも、ユーザー状態に応じてタイトルを変えることは十分あり得る。

内部的には同じ実装でも、ユーザーに見せる文脈は違う。

ここを意識しないと、内部構造がそのまま画面に出てしまう。


9. AIへの実装指示にも体験設計が必要

今回の反省点は、AIへの指示にもある。

AIに対して、

「この画面を改善して」
「見た目を良くして」
「UI文言を直して」

だけでは不十分だった。

本来は、最初にこう指示すべきだった。

この画面は、ユーザーにとって初めて結果を知る体験である。
内部処理としては結果生成済みでも、画面上では初回体験として扱う。
開発者向け文言を通常画面に出さない。
初回体験と2回目以降の見返しを区別する。

ここまで書かないと、AIは開発者視点で実装してしまう。

AIは仕様に書かれていない文脈を、常に正しく補ってくれるわけではない。

だから、体験設計を言語化して渡す必要がある。


10. 見た目改善だけでは足りない

最近、画面のビジュアル改善も進めている。

アイコンや表示を良くする。
画面の見た目を整える。
スマホでも見やすくする。

これはもちろん重要である。

しかし、見た目が良くなっても、体験文脈が間違っていれば安っぽくなる。

どれだけ見た目を良くしても、初回体験なのに「リプレイ」と出ていたら台無しである。
どれだけ演出を入れても、「これはライブではありません」と出ていたら没入感は消える。
どれだけUIを整理しても、結果を先に見せていたら体験の意味が薄れる。

つまり、必要なのは見た目改善だけではない。

体験の順番、文脈、状態、ネタバレ制御、初回と回顧の区別である。


11. これはサービス品質に直結する

この問題は、細かい文言の問題ではない。

サービス品質に直結する。

ユーザーが初めて触る。
自分の関心があるイベントを見る。
結果を見守る。
ゴールや完了の瞬間を知る。
その後、結果やコメントや次の行動へ進む。

この一連の体験が気持ちよくつながるかどうか。

ここが弱いと、サービス全体が安っぽくなる。

逆に、ここがしっかりしていれば、内部的にはシンプルな実装でも、体験としてはかなり良くなる。

体験設計は、実装コスト以上に価値を生むことがある。


12. 今回の結論

今回の反省は、体験設計の考慮が甘かったということだ。

内部的に結果が先に生成されているからといって、ユーザー画面でそれを「リプレイ」「再生」「簡易表示」のように見せてはいけない。

初めて見るユーザーにとっては、それは初回体験である。

初回体験では、ユーザーに結果を先に見せすぎない。
画面上は、今まさに見ている体験として扱う。
2回目以降は、見返しや回顧として扱う。
開発者文言を通常画面に出さない。
デバッグ操作を通常画面に出さない。
便利機能はあっても、主役にしない。

これは、単なるUI修正ではない。

体験設計の修正である。

AIを使うと、実装は速い。
しかし、体験の思想まできちんと指示しないと、開発者都合の画面がすぐにできてしまう。

今後は、画面を作る前に、その画面がユーザーにとって何の体験なのかを定義する。

見る画面なのか。
初めて結果を知る画面なのか。
見返す画面なのか。
操作する画面なのか。
確認する画面なのか。

ここを明確にしてから、実装に進める必要がある。

今回の気づきはかなり大きい。
サービスイン前に気づけてよかったと思う。

2026年5月3日日曜日

第51回:外出中にAIを働かせるため、開発スコープを広げて60キュー投入した

 1. はじめに

独力+AI活用で月商1億円を目指している。

今日は外出予定がある。

普通なら、外出している間は開発が止まる。
しかし、今はAIを使っている。

Cursorに作業キューを積んでおけば、自分が外出している間も、ある程度は開発を進められる。

そこで今回は、少し思い切って、開発範囲のスコープを大きく広げた。
そして、Cursorにかなり多めの指示を投入した。



その数、約60キュー

正直、ちゃんと動くのか少し不安である。

ただ、今の開発用PCはかなり安定している。
正本ルールも整ってきた。
開発用PCと確認用端末の役割分担も固まってきた。
ブロッカー管理、制限事項管理、完了報告、FixedとConfirmedの考え方も整理されてきた。

だから今回は、外出時間を開発時間に変える実験として、あえて大きめに動かしてみることにした。


2. なぜ60キューも入れたのか

理由はシンプルである。

今日、自分がPCの前にいられないからである。

AI開発では、人間が見ていない時間も作業に変えられる可能性がある。

寝ている間。
外出している間。
移動している間。
食事している間。
別作業をしている間。

この時間に、AIが開発用PC上で作業を進めてくれれば、個人開発としてはかなり大きい。

ただし、何でもかんでもAIに任せればよいわけではない。

大量キューは、うまくいけば強い。
しかし、失敗すると差分が大きくなりすぎる。
途中で方針がズレても、そのまま進む。
ドキュメント更新だけに寄る可能性もある。
ビルド失敗後に変な修正が積み重なる可能性もある。

だから、60キュー投入は、かなり攻めた運用である。


3. 今回スコープを広げた理由

最近の開発では、重要な課題が見えてきた。

それは、単純な機能不足ではない。

もっと根本的に、画面体系や導線設計を見直す必要が出てきた。

これまで機能を増やしてきた結果、既存画面に多くの役割が集まりすぎている。
画面数が足りないのに、機能ばかり追加してきた。
その結果、1つの画面に複数の目的が詰め込まれ、ユーザーが迷いやすくなっている。

つまり、導線カオスである。

これは、少しボタンを直せば済む話ではない。
画面の目的、画面数、画面分割、フェーズ別の導線、常時参照画面、イベント発生画面まで含めて見直す必要がある。

そこで今回は、細かい1件だけを直すのではなく、開発スコープを広げた。

  • 画面体系の整理

  • 導線カオスの解消

  • 主要画面の目的整理

  • P0/P1作業の継続消化

  • 既知ブロッカー・制限事項の扱い

  • 確認用端末に戻すべき観点の整理

  • 正本ルールに沿った進捗報告

こうした範囲をまとめて進める方向にした。


4. 60キューは効率的なのか

以前、Cursorの大量キュー運用についても考えた。

結論としては、正本ルールが弱い状態で50キュー、60キューを積むのは危険である。

しかし、今のように正本ルールがあり、作業優先順位、停止条件、Git運用、完了報告の型があるなら、大量キューはかなり有効になる。

特に、以下のような条件がそろっている場合は強い。

  • 開発用PCが安定して動く

  • main直作業を禁止している

  • featureブランチで作業する

  • ビルドやテスト失敗時の停止条件がある

  • ドキュメント更新だけに逃げないルールがある

  • 進捗率や残課題を報告させている

  • 確認用端末で再確認すべき範囲を明記させている

この前提なら、大量キューは「危険な暴走」ではなく、外出中の自走開発バッチとして使える可能性がある。

今回は、まさにそれを試している。


5. ただし、怖さもある

もちろん、怖さはある。

60キューも積むと、途中で何か起きたときに、その影響が大きくなる。

たとえば、

  • 早い段階でビルドが壊れる

  • その状態で後続の修正が走る

  • 原因がズレたまま修正が積み上がる

  • ドキュメントだけ更新されて実装が進まない

  • 同じファイルに変更が集中する

  • 差分が大きくなりすぎる

  • 外出から戻ったときに把握が大変になる

こうなると、せっかくの自走が逆効果になる。

だから、今回のポイントは、単に60キューを入れることではない。

60キュー入れても暴走しないように、正本ルールと停止条件を整えておくことである。


6. 最近整ってきたプロジェクト管理ルール

ここ最近、かなりプロジェクトマネジメント寄りの整備を進めてきた。

開発用PCと確認用端末の役割分担。
確認用端末によるシナリオ試験。
既知ブロッカー・制限事項台帳。
FixedとConfirmedの分離。
指摘ID単位の管理。
完了報告フォーマット。
進捗率と残り所要時間の報告。
導線カオスの棚卸し。
画面体系の再設計。

これらは、地味だがかなり重要である。

AIを使うと、作業速度は上がる。
しかし、管理が弱いと、作業が増えた分だけ混乱も増える。

だから今は、AIを使う力よりも、AIを管理する力が重要になってきている。

今回の60キュー投入も、ただの勢いではない。

正本ルールが整ってきたからこそ試せる運用である。


7. 今日の外出中に期待していること

今日、外出している間に期待していることは、完璧な完成ではない。

そこまで期待すると危ない。

期待しているのは、以下である。

  • P0/P1の一部が進む

  • 画面体系整理が進む

  • 導線カオス解消の土台ができる

  • ドキュメントと実装の整合が進む

  • 自動テストやビルドで大きな破綻が見つかる

  • 次に人間が判断すべきポイントが明確になる

  • 確認用端末に戻すべき再確認範囲が整理される

つまり、外出中にAIが全部終わらせるというより、次の判断材料を作ってくれることを期待している。

AI開発では、AIが勝手にゴールまで行くわけではない。

人間が戻ってきたときに、差分、検証結果、残課題、リスクを確認して、次の判断をする必要がある。


8. 帰ってきたらまず確認すること

外出から戻ったら、いきなり次の指示を出すのではなく、まず確認する。

見るべきものは決まっている。

  • git status

  • 変更ファイル

  • commit / push状況

  • build / lint / test結果

  • 完了報告

  • 進捗率

  • 残課題

  • リスク・未確認事項

  • 差分が大きくなりすぎていないか

  • 重要ロジックに不用意に触っていないか

  • ドキュメントだけで終わっていないか

  • 確認用端末で再確認すべき範囲

特に、今回はキュー数が多いので、差分確認が重要になる。

作業が進んでいても、内容がズレていたら意味がない。

大量キューの成否は、最後の検収で決まる。


9. うまく動けばかなり強い

もし今回うまく動けば、これはかなり強い。

外出中に開発が進む。
寝ている間に作業が進む。
人間が戻ってきたら、報告を見て判断する。
必要に応じて確認用端末で実機確認する。
問題があれば開発用PCに戻す。

この流れが回るようになると、個人開発の限界をかなり押し広げられる。

人間1人では、稼働時間に限界がある。

しかし、AIと安定稼働PCを組み合わせると、自分の不在時間も作業時間に変えられる。

もちろん、品質管理は必要である。
ただ、運用が固まればかなり強い。


10. うまく動かなかった場合も学びになる

逆に、今回うまくいかなかったとしても、それはそれで学びになる。

たとえば、

  • 60キューは多すぎた

  • 停止条件が弱かった

  • 指示が曖昧だった

  • 実装よりドキュメントに寄りすぎた

  • 差分が大きくなりすぎた

  • 途中でテスト失敗を引きずった

  • 外出中に任せる作業の種類を絞るべきだった

こうしたことが分かる。

その場合は、次回から改善すればよい。

たとえば、通常は20キュー、就寝時は30キュー、安定作業だけ50キュー以上にする。
DBや認証、課金のような重要領域は10キューで区切る。
導線整理やUI改善のような範囲に限定する。
停止条件をさらに強める。

失敗しても、運用改善につながるなら意味がある。


11. AIを使うというより、AIを運用している

最近、自分の中で感覚が変わってきた。

AIを使っているというより、AIを運用している。

単発で質問するだけではない。
Cursorに作業を積む。
ChatGPTで指示を作る。
開発用PCに自走させる。
確認用端末に試験させる。
ドキュメントでルールを固定する。
完了報告で検収する。
必要ならキュー数や作業範囲を調整する。

これは、かなりプロジェクトマネジメントである。

人間の作業者を管理するのと同じように、AIにも役割、作業範囲、報告形式、停止条件、完了条件が必要になる。

今回の60キュー投入は、その運用実験でもある。


12. 今回の結論

今日は外出するため、開発範囲のスコープを大きく広げて、Cursorに約60キューを投入した。

正直、ちゃんと動くかは少し不安である。

ただし、今は以前よりも運用ルールが整っている。

開発用PCは安定している。
正本ルールもある。
確認用端末との役割分担もある。
ブロッカー管理や制限事項管理も整ってきた。
FixedとConfirmedの区別もある。
導線カオスや画面体系の課題も見えてきた。

だから今回は、外出中の時間を開発時間に変えるために、あえて大きく動かしてみる。

もちろん、60キューは万能ではない。

うまく進むかもしれない。
ズレるかもしれない。
差分が大きくなりすぎるかもしれない。
ドキュメントに寄りすぎるかもしれない。

帰ってきたら、まず検収する。

作業が進んだか。
品質は保てているか。
ビルドやテストは通っているか。
次に何をすべきか。

AIを寝ている間や外出中にも働かせる。
ただし、暴走させない。

このバランスを取れるかどうかが、独力+AI活用の開発ではかなり重要になってきた。

第50回:設計ミスだった。画面数が足りないのに、機能ばかり追加したらカオスになる

1. はじめに

独力+AI活用で月商1億円を目指している。

最近、実機確認やシナリオ試験を進める中で、かなり本質的な問題が見えてきた。

それは、導線カオス問題である。

ただし、これは単にUIが悪いとか、デザインが弱いとか、ボタンが多いとか、そういう表面的な話ではない。

もっと根本的には、画面設計のミスだったのだと思う。

画面数が足りない。
画面分割が足りない。
本来は別画面にすべき機能を、既存画面にどんどん追加してしまった。

その結果、1つの画面に複数の目的が詰め込まれ、ユーザーから見ると「この画面で何をすればいいのか」が分かりにくくなっている。

これは、考えてみれば当然だった。

必要な画面を作らずに、機能だけ追加していけば、そりゃカオスになる。


2. 問題は「画面要件の粒度不足」だけではなかった

最初は、画面要件の粒度が粗いことが問題だと思っていた。

画面ごとの目的。
主CTA。
副導線。
表示優先順位。
状態別表示。
空データ表示。
スマホ表示。
受け入れ条件。

こうした画面単位の詳細要件が足りない。

これは確かに問題である。

しかし、さらに深く考えると、それ以前の問題があった。

そもそも必要な画面数が足りていない。

画面が足りないから、既存画面に機能を足す。
既存画面に機能を足すから、その画面の目的がぼやける。
目的がぼやけるから、主導線が分かりにくくなる。
主導線が分かりにくくなるから、ユーザーが迷う。

つまり、画面要件を細かく書けば解決する話ではない。

必要な画面を追加し、分けるべき画面を分ける必要がある。


3. 1画面に詰め込みすぎた

今の問題は、いくつかの中心画面に機能が集中しすぎていることだ。

たとえば、ログイン後の中心画面は、本来であれば「現在の状態」と「次にやること」を示す入口であるべきだ。

しかし、そこにあれもこれも置こうとすると、全機能置き場になってしまう。

詳細画面も同じである。

本来は概要を見る画面なのに、そこに操作、確認、履歴、結果、補足情報、関連情報まで詰め込んでしまうと、何のための画面なのか分からなくなる。

個別の情報は必要かもしれない。
個別の機能も必要かもしれない。

でも、それを全部同じ画面に置く必要はない。

見る画面。
選ぶ画面。
実行する画面。
確認する画面。
結果を見る画面。

これらは、本来分けるべきだった。


4. 機能追加のスピードに、画面設計が追いついていなかった

AIを使っていると、機能追加のスピードはかなり上がる。

アイデアを出す。
仕様を作る。
実装指示を出す。
Cursorがコードを書く。
テストも追加する。
ドキュメントも更新する。

この流れで、かなり速く前に進める。

ただし、その副作用もある。

機能はどんどん増える。
でも、画面体系の整理が追いつかない。

結果として、既存画面にとりあえず機能を追加してしまう。

「この画面に置いておけば、とりあえず使える」
「既にある画面だから追加しやすい」
「別画面を作るより早い」

そうやって短期的には進む。

しかし、長期的には画面が壊れていく。

これは、AI開発の怖いところでもある。

実装速度が上がるほど、設計の粗さも早く露呈する。


5. 常時参照画面と操作画面を混ぜてはいけない

今回かなり重要だと思ったのが、常時参照画面特定タイミングで操作する画面を分けることだ。

常時参照できる画面は、いつでも見られる必要がある。

たとえば、

  • 自分の状態を見る画面

  • 対象一覧を見る画面

  • 詳細を見る画面

  • 履歴を見る画面

  • 通知を見る画面

  • ヘルプを見る画面

こういうものは、常にアクセスできてよい。

一方で、特定のタイミングで操作する画面もある。

  • 準備する画面

  • 実行する画面

  • 結果を確認する画面

  • 振り返る画面

  • イベント発生時だけ出る画面

これらは、常時参照画面とは性質が違う。

ここを混ぜると、導線が崩れる。

常時見られるべき情報と、今だけ操作すべきタスクが同じ強さで並ぶ。
その結果、「今、自分は何をすればいいのか」が分からなくなる。


6. フェーズ別のハブ画面が必要だった

今回の整理で、フェーズ別のハブ画面が必要だと感じた。

ログイン後の中心画面にすべてを置くのではなく、現在の状態に応じた入口を分ける。

たとえば、

  • 準備フェーズ用の画面

  • 実行フェーズ用の画面

  • 結果確認用の画面

  • 振り返り用の画面

  • イベント確認用の画面

こうした画面を用意する。

ログイン後の中心画面は、全機能置き場ではなく、現在の状態と次にやることを示す入口にする。

そして、実際の細かい操作は、それぞれのハブ画面や専用画面へ逃がす。

これにより、中心画面の情報量を減らせる。

ユーザーに対しても、

「今はこの状態です」
「次にやることはこれです」
「詳しい操作はこちらです」

と案内しやすくなる。


7. 詳細画面も分割が必要

詳細画面も、かなり注意が必要である。

詳細画面は便利なので、つい何でも置きたくなる。

概要。
状態。
操作ボタン。
履歴。
関連情報。
補助説明。
結果導線。
コメント。
レポート。

しかし、詳細画面に全部置くと、その画面の役割が崩れる。

詳細画面は、あくまで概要と状態を把握し、状態に応じた次の導線を出す画面にするべきだと思う。

実行系の操作は、必要に応じて専用画面に分ける。

  • 詳細を見る

  • 操作する

  • 確認する

  • 完了を見る

  • 結果を見る

この流れを分けることで、ユーザーの迷いを減らせる。


8. イベント発生画面も別カテゴリとして考える必要がある

もう一つ大きいのが、イベント発生画面である。

進行型のWebサービスでは、通常画面だけでは足りない。

特定の時期だけ出る画面。
特定の条件で発生する画面。
通知から入る画面。
結果確認で表示される画面。
未処理タスクとして出す画面。
アーカイブとして残す画面。

こうしたイベント系画面を、通常画面に無理やり詰め込むと、また導線がカオスになる。

イベントは、イベントとして別カテゴリで整理する必要がある。

すべてをグローバルナビに置く必要はない。
すべてをダッシュボードに大きく出す必要もない。

重要なイベントは未処理タスクとして表示する。
軽いイベントは通知でよい。
選択が必要なイベントは専用画面にする。
記録として残すものはアーカイブにする。

こういう整理が必要になる。


9. ダッシュボードを全機能置き場にしてはいけない

今回かなり反省しているのは、ダッシュボード的な画面の扱いである。

ダッシュボードは便利である。

何でも置ける。
何でも入口にできる。
各機能へのリンクを置きやすい。
状態表示も置きやすい。

しかし、それが危険である。

ダッシュボードに何でも置くと、すぐに全機能置き場になる。

本来の役割は、ユーザーに現在地と次の行動を示すことだと思う。

だから、ダッシュボードは以下に絞るべきである。

  • 現在の状態

  • 次にやること

  • 未処理タスク

  • 重要通知

  • 主要導線

  • 常時参照ページへの最小限の入口

詳細な情報や低頻度の導線は、別画面やメニュー配下に逃がす。

ダッシュボードは、全部を見せる場所ではない。
迷わず次に進ませる場所である。


10. 画面数を増やすことは悪ではない

画面数が増えると複雑になるのではないか、という考えもある。

もちろん、無計画に増やせば複雑になる。

しかし、必要な画面を作らない方が、もっと複雑になることもある。

1画面に複数目的が混ざる。
1つのカードに複数の導線が入る。
同じ画面で見る、選ぶ、実行する、確認する、結果を見るまでやらせる。
そうなると、見た目は1画面でも、体験としては複雑になる。

画面数を適切に増やすことで、むしろ分かりやすくなる。

重要なのは、画面数を減らすことではない。

ユーザーの目的ごとに、画面を適切に分けることである。


11. 今後は画面体系を再設計する

今後は、画面体系を再設計する必要がある。

まずは、以下のような分類で整理したい。

  1. トップ・認証・初回導線

  2. ダッシュボード

  3. 常時参照できる基本画面

  4. 準備系画面

  5. 実行系画面

  6. 結果確認・振り返り系画面

  7. 履歴・記録系画面

  8. ニュース・お知らせ系画面

  9. プロフィール・ランキング系画面

  10. ヘルプ・FAQ・用語集

  11. 時期・イベント発生画面

  12. 管理者画面

このように分類してから、必要な画面を洗い出す。

そのうえで、既存画面に詰め込みすぎている機能を、どの画面へ切り出すかを決める。


12. 詳細要件はP0画面から作る

全画面の詳細要件をいきなり作るのは重い。

だから、まずは画面体系を整理する。
次に、P0画面だけ詳細要件を作る。

各画面について、以下を定義する。

  • 画面の目的

  • 対象ユーザー

  • 到達経路

  • 主導線

  • 副導線

  • 表示情報

  • 情報優先順位

  • 操作・ボタン

  • 状態別表示

  • エラー・空状態

  • スマホ表示要件

  • E2E観点

  • 実機確認観点

  • 受け入れ条件

  • 未確定事項

ここまで整理すれば、AIに実装させるときもブレにくい。

実機確認でも、何を見ればよいか明確になる。


13. これは設計ミスの修正である

今回の問題は、単なる改善ではない。

これは設計ミスの修正である。

機能を増やすことに意識が向きすぎて、画面体系の整理が追いついていなかった。

画面数が足りないのに、機能ばかり追加した。
その結果、既存画面に機能が集中した。
画面ごとの目的がぼやけた。
導線がカオスになった。

ここを認める必要がある。

ただし、気づけたことは大きい。

サービスイン前に気づけたなら、まだ直せる。

今後は、画面数を増やすことを恐れず、必要な画面をきちんと追加する。

そして、各画面の目的を明確にする。


14. 今回の結論

導線カオスの根本原因は、UIの見た目だけではなかった。

画面数が足りなかった。
画面分割が足りなかった。
必要な画面を作らず、既存画面に機能を追加しすぎた。

そりゃカオスになる。

今後は、以下を徹底したい。

  • 画面の目的が違うなら画面を分ける

  • 操作タイミングが違うなら画面を分ける

  • 見る、選ぶ、実行する、確認する、結果を見るを分ける

  • 常時参照画面と特定タイミングの操作画面を分ける

  • イベント発生画面を別カテゴリとして整理する

  • ダッシュボードを全機能置き場にしない

  • 詳細画面に全操作を詰め込まない

  • P0画面から詳細要件を作る

AIを使うと、機能追加は速くなる。

しかし、画面設計を怠ると、速くカオスになる。

今回の学びはそこだ。

これからは、機能を足すだけでなく、画面を分ける。
必要な画面を追加する。
画面ごとの目的を明確にする。

サービスイン前に、この設計ミスを立て直したい。

第49回:導線カオス問題。機能は増えたが、画面の目的が分かりにくくなってきた

1. はじめに

独力+AI活用で月商1億円を目指している。

最近、開発はかなり進んできた。

画面も増えた。
機能も増えた。
自動テストも整ってきた。
確認用端末での実機試験も始めている。
開発用PCと確認用端末の役割分担も、だいぶ整理されてきた。

ただ、ここに来てかなり重要な問題が見えてきた。

それが、導線カオス問題である。

これは単なるUIの見た目の問題ではない。
ボタンの色が悪いとか、余白が少し狭いとか、そういうレベルではない。

もっと根本的な問題である。

その画面が何のための画面なのか分かりにくい。
操作できる選択肢が多すぎる。
情報量が多すぎて、重要な操作が埋もれている。
ユーザーが次に何をすればよいのか分からない。

これは、サービスイン前にかなり真剣に潰す必要がある。


2. 機能が増えるほど、画面は分かりにくくなる

開発中は、つい機能を増やしたくなる。

この情報も見せたい。
この導線も置きたい。
このボタンも必要そう。
この補助説明もあった方が親切。
この将来機能の入口も先に置いておきたい。

そうやって少しずつ足していくと、画面はどんどん重くなる。

最初はシンプルだった画面が、気づけばリンク、ボタン、カード、説明文、補助情報、ステータス表示でいっぱいになる。

開発者目線では、それぞれに意味がある。
しかし、初見ユーザーから見ると、全部が同じ強さで並んでいるように見える。

結果として、

「で、結局この画面では何をすればいいの?」

となる。

これは非常に危険である。


3. 導線カオスは、バグより分かりにくい

バグは分かりやすい。

ボタンを押してエラーが出る。
画面が壊れる。
データが保存されない。
ログインできない。
処理が失敗する。

こういうものは、比較的見つけやすい。

しかし、導線カオスは分かりにくい。

画面は表示されている。
ボタンもある。
リンクもある。
機能も動いている。

一見すると、問題がないように見える。

しかし、実際に人間が触ると迷う。

どこを押せばいいか分からない。
どの情報が重要か分からない。
なぜ似たようなカードが複数あるのか分からない。
今すぐ使うべき機能と、後で見ればよい情報が混ざっている。

これは、通常の自動テストでは拾いにくい。

だから、確認用端末には通常のバグ探しではなく、人間が触って迷う画面を洗い出す試験をさせる必要がある。


4. 今回確認したい観点

今回の試験では、単に機能があるかどうかを見るのではない。

確認したいのは、以下である。

  • その画面が何のための画面か一目で分かるか

  • ユーザーに最初に何をしてほしい画面か分かるか

  • 主要アクションが明確か

  • ボタンやリンクが多すぎないか

  • 情報量が多すぎて重要な操作が埋もれていないか

  • 初見ユーザーが迷わないか

  • サービスイン初期に本当に必要なものだけが前面に出ているか

これは、かなり重要な観点である。

今までは「機能を作る」「動くようにする」「エラーを減らす」という意識が強かった。

しかし、サービスとして人に触ってもらうなら、それだけでは足りない。

使えることと、迷わず使えることは違う。


5. 各画面の目的を棚卸しする

今回やるべきことは、各画面の目的の棚卸しである。

それぞれの画面について、まず以下を考える。

この画面は何のための画面なのか。
ユーザーに最初に何をしてほしいのか。
この画面で絶対に必要な操作は何か。
この画面に置かなくてもよい情報は何か。
別画面に逃がすべき機能は何か。

この整理をしないまま機能を増やすと、画面は必ず複雑になる。

特に、ログイン後の中心画面、初回ユーザーが最初に入る画面、主要操作に関わる詳細画面は重要である。

ここがカオスだと、ユーザーは離脱する。


6. Primary Actionを絞る

画面設計で重要なのは、Primary Actionである。

その画面で、ユーザーに一番押してほしいボタンは何か。
一番進んでほしい導線はどれか。

これが分からない画面は弱い。

現状、いろいろな画面で、複数のボタンやカードが同じ強さで並んでいる可能性がある。

そうなると、ユーザーは迷う。

理想としては、

  • Primary Actionは1つ

  • Secondary Actionは2〜3個

  • それ以外は控えめにする

  • 詳細情報は折りたたむ

  • 後回し機能や将来機能は前面に出しすぎない

という形にしたい。

機能を消す必要はない。
ただし、画面上の優先順位は明確にする必要がある。


7. 情報量を減らす勇気

開発していると、情報を出したくなる。

せっかくデータがあるなら表示したい。
せっかく機能があるなら入口を置きたい。
せっかく説明を書いたなら見せたい。

しかし、情報が多いことは、必ずしも親切ではない。

初見ユーザーにとっては、情報が多いほど混乱することがある。

重要情報と補助情報が同じ強さで表示されていると、何を読めばよいか分からない。

だから、情報量を減らす勇気が必要である。

  • 初回に必要な情報だけ出す

  • 補足は折りたたむ

  • 詳細は別画面に逃がす

  • 将来機能は控えめにする

  • 内部的な状態や細かい説明を前面に出しすぎない

これは、かなり大事だと思っている。


8. 新規ユーザー視点が特に重要

既に仕様を知っている自分が触ると、多少画面が複雑でも理解できる。

しかし、新規ユーザーは違う。

初回ログイン後に、何をすればよいか分からない。
専門用語や独自概念が一度に出る。
画面上に複数の導線があり、どれが最初なのか分からない。
空データ状態で何も起きていないように見える。

これでは厳しい。

新規ユーザーには、まず「次にやること」を明確に出す必要がある。

最初からすべての機能を見せるのではなく、最初に進むべき道を示す。

これは、サービスイン初期では特に重要である。


9. 確認用端末にやらせる試験の価値

今回の導線カオス問題は、確認用端末にやらせる価値が高い。

開発用PCは、どうしても実装目線になりやすい。

この機能は動くか。
このテストは通るか。
このエラーは直ったか。
このPRはマージできるか。

一方で、確認用端末には、実際に触った人間目線で見てもらいたい。

  • 初見で迷うか

  • ボタンが多すぎるか

  • 情報量が多すぎるか

  • 主要導線が見えているか

  • 画面の目的が分かるか

  • どの画面が一番カオスか

これは、実装側だけでは見落としやすい。

だから、二台運用の意味がある。

開発用PCは作る。
確認用端末は迷う。
迷った箇所を報告する。
開発用PCが整理する。

この流れが重要である。


10. 試験レポートで見たいもの

今回の試験では、単なる不具合一覧ではなく、画面目的棚卸しレポートが必要である。

各画面について、以下のように整理したい。

  • 画面名

  • 想定される本来の目的

  • 現状の印象

  • 迷いやすい点

  • 残すべき主要機能

  • 削る、下げる、別画面に逃がすべき要素

  • 推奨する画面整理方針

  • 重要度

  • スクリーンショット

さらに、全体サマリーとして以下も欲しい。

  • 最も導線がカオスになっている画面 Top 5

  • 最も情報量が多すぎる画面 Top 5

  • 主要機能が分かりにくい画面 Top 5

  • 初見ユーザーが最初に詰まりそうな箇所

  • サービスイン前に必ず整理すべきP0指摘一覧

  • P0ではないが品質に大きく影響するP1指摘一覧

  • 全画面共通の改善方針

  • 開発用PC側に実装依頼すべき改善案

ここまで整理できれば、かなり次の改善に使える。


11. 点数化する意味

各画面について、5段階で点数化するのも有効だと思っている。

観点は以下である。

  • 目的明確度

  • 主要アクション明確度

  • 情報量適正度

  • 導線整理度

  • 初見ユーザー理解度

  • サービスイン適合度

点数化すると、感覚論だけでなく、優先順位を付けやすくなる。

たとえば、ある画面が以下のような状態なら、かなり危険である。

目的明確度:2
主要アクション明確度:1
情報量適正度:2
導線整理度:1
初見ユーザー理解度:1
サービスイン適合度:2

こういう画面は、単なる見た目改善ではなく、P0/P1として扱うべきである。


12. サービスイン初期では、機能を前に出しすぎない

サービスイン初期に大事なのは、何でも見せることではない。

むしろ、最初は絞るべきである。

ユーザーが最初にやるべきこと。
中心になる体験。
最低限確認すべき情報。
次に進むための導線。

これだけを分かりやすく出す。

将来機能、補助情報、詳細データ、ランキング、細かい履歴、管理寄りの導線などは、必要に応じて下げる。

全部をトップレベルに出すと、サービスの魅力が伝わるどころか、逆に分かりにくくなる。

機能が多いことを良いことと評価しない。

これが大事である。


13. 今回の結論

導線カオス問題は、単なるUIの見た目問題ではない。

これは、画面設計、情報設計、導線設計の問題である。

各画面に操作できる選択肢が多すぎる。
画面ごとの主要目的が分かりにくい。
本来その画面で何をすればよいのかが直感的に分からない。
リンク、ボタン、カード、補助情報が多く、導線がカオス状態になっている。
情報量が多すぎて、重要な操作が埋もれている。

この状態では、機能があっても使われない。

だから今、確認用端末を使って、各画面の目的と導線を棚卸しする。

見るべきなのは、バグだけではない。

人間が触って迷うかどうか。
初見で何をすればよいか分かるか。
主要アクションが見えているか。
情報量が過剰ではないか。
サービスイン初期に本当に必要なものだけが前面に出ているか。

これを確認する。

今回の試験で出てくる指摘は、単なるUI改善ではない。
サービスイン前のP0/P1整理として扱うべきである。

機能を増やすフェーズから、画面の目的を絞るフェーズへ。

ここを越えないと、人に見せられるサービスにはならないと思っている。

2026年5月2日土曜日

第48回:AI活用にも成熟度がある。AIを使えることより、AIを管理できることが重要になる

1. はじめに

独力+AI活用で月商1億円を目指している。

最近、ChatGPT、Cursor、Gensparkなど、かなり多くのAIツールを使っている。

企画整理、仕様整理、実装指示、コード修正、テスト、ドキュメント整備、進捗管理、ブログ記事作成。
AIが関わる範囲は、かなり広がってきた。

最初は、AIを便利な相談相手として使っていた。
しかし、今はもう少し違う段階に入っている。

AIに作業をさせる。
AIに報告させる。
AIにテスト観点を出させる。
AIに残課題を整理させる。
複数のAIや端末を役割分担させる。
その結果を人間が確認し、統合し、判断する。

ここまで来ると、単なる「AI活用」ではなく、ほとんどAIチーム運営に近い。

そこで今回は、自分なりに AI活用成熟度モデル として整理してみたい。


2. AI活用には段階がある

AI活用という言葉はかなり広い。

メール文を整えるだけでもAI活用である。
コードを書かせるのもAI活用である。
複数AIを使って開発プロジェクトを回すのもAI活用である。

しかし、これらは同じレベルではない。

AI活用には段階がある。

最初は、AIを個人の相談相手として使う。
次に、作業単位でAIに成果物を作らせる。
さらに進むと、業務プロセスやプロジェクト運営にAIを組み込む。
高度な段階では、複数AIを役割分担させ、プロジェクトマネジメントの知識で統制する必要が出てくる。

つまり、AI活用の成熟度は、単に「AIを使っているかどうか」では測れない。

AIをどれだけ管理可能な形で成果に結びつけているかが重要になる。


3. レベル0:AI未活用

まず、AIをほとんど使っていない段階である。

調査、文章作成、設計、開発、レビュー、進捗管理を、人間が従来どおり行う。

もちろん、これは悪いことではない。
AIなしでも仕事はできる。

ただし、作業速度は人間の経験と稼働時間に依存する。
品質も属人化しやすい。
ベテランがいれば強いが、ナレッジが個人に閉じやすい。

AI活用という意味では、まだスタートラインの手前である。


4. レベル1:個人の補助ツールとして使う

次に、AIを個人の補助ツールとして使う段階である。

たとえば、

  • メール文を整える

  • 文章を要約する

  • アイデア出しをする

  • 簡単な調査をする

  • コードの一部を書かせる

この段階では、AIは便利な相談相手である。

個人の作業効率は上がる。
ただし、プロジェクト全体にはまだ組み込まれていない。

成果物の責任は完全に人間側にある。
AIの出力をそのまま信じてしまうと、事実誤認や品質低下が起きる。

この段階では、「AIを使っている人」と「使っていない人」で個人差が出やすい。


5. レベル2:作業単位でAIを活用する

次は、AIに明確なタスクを渡して、作業単位で成果物を作らせる段階である。

たとえば、

  • 仕様書のたたき台を作る

  • テスト観点を洗い出す

  • エラー原因を分析する

  • 画面設計案を出す

  • コード修正案を作る

  • 議事録を整理する

このあたりから、作業効率はかなり上がる。

ただし、タスクの粒度が曖昧だと、成果物がぶれる。
未確認事項が混入する。
作業範囲が勝手に広がる。

AIは、はっきりした依頼には強い。
しかし、曖昧な依頼では、それっぽいが使いにくい成果物を出してくることがある。

この段階では、AIへの指示力が重要になる。


6. レベル3:業務プロセスにAIを組み込む

さらに進むと、AIを単発作業ではなく、業務フローの一部として使うようになる。

たとえば、

  • 要件定義から設計書作成までAIに補助させる

  • 不具合報告から原因分析・修正案作成までAIを使う

  • テスト結果から改善課題を抽出する

  • 会議録から課題一覧・ToDo一覧を生成する

  • 定型的なレビュー観点をAIに確認させる

ここまで来ると、AIは個人の便利ツールではなく、業務プロセスの一部になる。

ただし、プロセスが整っていないとAI活用も不安定になる。
課題管理や品質管理がないと、手戻りが増える。
AIが作った成果物が管理されず、あちこちに散らばる。

この段階では、AIそのものよりも、AIを組み込む業務フローの設計が重要になる。


7. レベル4:AIをプロジェクト運営に組み込む

次は、AIをプロジェクト全体の運営に使う段階である。

たとえば、

  • 残課題一覧をAIに整理させる

  • 不具合一覧をAIに更新させる

  • 進捗報告をAIに要約させる

  • リリース判定チェックリストをAIに作らせる

  • 仕様変更の影響範囲をAIに洗い出させる

  • テスト結果からリスクを整理させる

この段階では、AIがPMO的な補助を始める。

プロジェクト管理資料の更新にAIが関与する。
進捗、課題、品質、リスクの見える化を支援する。

ただし、ここにも危険がある。

AIが管理資料を増やしすぎる。
進捗しているように見えて、実態が伴わない。
確認済みと未確認の区別が曖昧になる。

AIに管理資料を作らせる場合、その管理資料自体の品質管理が必要になる。


8. レベル5:複数AIを役割分担させて使う

さらに進むと、複数のAIを役割ごとに使い分ける段階になる。

たとえば、

  • 実装担当AI

  • レビュー担当AI

  • テスト観点整理AI

  • UI改善提案AI

  • ドキュメント整理AI

  • プロジェクト管理補助AI

  • 調査担当AI

この段階になると、AIを単体ではなく、複数の専門役割として使うようになる。

作業速度は大幅に上がる可能性がある。
しかし、同時に管理も難しくなる。

AI同士の作業が競合する。
同じ問題を別々に修正する。
方針が分裂する。
成果物の整合性が崩れる。
人間側が統合しきれなくなる。

ここから先は、単なるAI活用ではなく、AIチーム運営に近くなる。


9. レベル6:プロジェクトマネジメントで複数AIを統制する

ここが、現実的な意味でかなり高い到達点だと思う。

複数のAIを、プロジェクトマネジメントの知識を使って統制する段階である。

AIを単に便利な道具として使うのではない。
プロジェクト内の実行主体として位置づける。

人間は、AIに対して以下を管理する。

  • 目的

  • スコープ

  • 優先順位

  • 制限事項

  • 課題

  • 不具合

  • 変更

  • 品質基準

  • 完了条件

  • 進捗

  • リスク

  • 成果物の統合

たとえば、実装AIにはP0/P1タスクを渡す。
レビューAIには品質観点を渡す。
テストAIにはE2E観点を渡す。
ドキュメントAIには変更差分だけを反映させる。

そして、人間が全体方針、優先順位、リリース判断を行う。

この段階では、AIを使う力ではなく、AIを管理する力が問われる。

プロンプト力だけでは不十分である。
必要なのは、プロジェクトマネジメント力である。


10. レベル7:AI-PMO化

レベル6の上にあるのが、AI-PMO化である。

AIを個別作業者として管理するだけでなく、プロジェクト管理そのものの一部をAIに担わせる段階である。

AIが以下を支援する。

  • 課題一覧の更新

  • 不具合傾向の分析

  • 進捗遅延の検知

  • 品質リスクの検出

  • スコープ変更の影響分析

  • リリース判定の補助

  • 優先順位案の提示

  • 次に着手すべき作業の提案

  • 会話、ドキュメント、Git差分から状況を整理する

この段階では、AIは作業者ではなく、PMO補佐になる。

ただし、判断責任は人間に残る。

AI-PMOは、プロジェクト状態を見える化し、判断材料を出す。
しかし、リリースするか、止めるか、優先順位をどうするかは人間が決める。

ここを間違えると、AIの進捗判断を過信してしまう。

整った報告に見えて、実態が伴っていないこともある。


11. レベル8:AIオーケストレーション

さらに上位になると、AIオーケストレーションである。

複数AI、複数ツール、複数プロジェクトを横断して、人間が全体を設計・統制する段階である。

たとえば、

  • 開発AI

  • QA AI

  • ドキュメントAI

  • 調査AI

  • マーケティングAI

  • SEO AI

  • 顧客対応AI

  • 分析AI

  • PMO AI

こうしたAI群を連携させ、プロジェクト全体、あるいは複数プロジェクト全体を動かす。

ここまで来ると、AIを単体で使う話ではない。

AIごとの役割、権限、入力、出力、品質基準を設計する必要がある。
プロジェクト、運用、改善、分析がつながる。

この段階の本質は、AIを使うのではなく、AIを組織化することである。


12. レベル9:AIネイティブ組織・AIネイティブ事業運営

最上位は、AIネイティブ組織・AIネイティブ事業運営である。

AIが補助的に使われるのではない。
最初からAI活用を前提に、業務、組織、プロジェクト、品質管理、意思決定プロセスが設計されている状態である。

この段階では、

  • AI活用を前提に業務プロセスが設計されている

  • AIごとの役割と責任範囲が定義されている

  • AI出力の検証プロセスが標準化されている

  • AIによる課題検知、改善提案、品質分析が日常化している

  • 人間は最終判断、戦略、価値判断、リスク判断に集中する

  • AI活用の成果が、個人の能力ではなく組織能力になっている

AIを使うこと自体が特別ではなく、業務の前提になっている。

これは、AIを使う組織ではない。
AIを前提に設計された組織である。


13. まとめ表

整理すると、以下のようになる。

レベル名称状態
0未活用AIを使っていない
1個人補助個人の相談相手・文章補助として使う
2タスク活用単発作業をAIに任せる
3プロセス活用業務フローの一部にAIを組み込む
4プロジェクト運営補助課題・不具合・進捗・品質管理にAIを使う
5複数AI分業複数AIを役割別に使い分ける
6AIチーム管理PM知識で複数AIを統制する
7AI-PMO化AIがプロジェクト管理そのものを補助する
8AIオーケストレーション複数AI・複数業務・複数プロジェクトを統合運用する
9AIネイティブ組織AI活用を前提に組織・業務・意思決定が設計されている

14. 自分はいまどの段階にいるのか

自分の今の状態は、レベル5からレベル6に入り始めている感覚である。

複数のAIや端末を役割分担させている。
実装担当、確認担当、方針整理、ドキュメント整理、テスト支援のように使い分けている。

さらに、最近はそれらをプロジェクトマネジメントの考え方で統制しようとしている。

  • 役割分担

  • 作業範囲

  • 進捗報告

  • 残課題管理

  • ブロッカー管理

  • 制限事項管理

  • FixedとConfirmedの分離

  • 再確認条件

  • 完了報告フォーマット

  • リスクと未確認事項の明示

ここまで来ると、AIを便利に使うというより、AIチームを管理している感覚に近い。

これはかなり面白い。

同時に、かなり難しい。


15. 一番重要な主張

今回のモデルで一番言いたいのは、これである。

AI活用の成熟度は、どれだけ高度なAIを使っているかではなく、AIをどれだけ管理可能な形で成果に結びつけているかで決まる。

もっと短く言うなら、

AI活用の本当の成熟度は、AIを使えることではなく、AIを管理できることで決まる。

これはかなり重要だと思っている。

AIを使うだけなら、誰でもできる。
しかし、AIの成果物を品質管理し、進捗管理し、プロジェクト成果につなげるのは簡単ではない。

そこには、プロジェクトマネジメントが必要である。


16. 今回の結論

AI活用には段階がある。

最初は、AIを個人の相談相手として使う段階である。
次に、AIに作業単位で成果物を作らせる段階に進む。
さらに進むと、AIは業務プロセスやプロジェクト運営の中に組み込まれていく。

そして高度な段階では、複数のAIを役割分担させ、プロジェクトマネジメントの知識を使って統制する必要が出てくる。

この段階では、AIを使う力よりも、AIを管理する力が重要になる。

AIを使うだけでは足りない。
AIを管理する。
AIの成果物を検収する。
AI同士の競合を防ぐ。
AIの出力をプロジェクト成果につなげる。

ここまでできて初めて、AI活用は成熟していく。

独力+AI活用で月商1億円を目指すなら、単に良いAIを使うだけではだめだ。

AIをチームとして扱い、プロジェクトとして管理する。

これが、これからの自分の大きなテーマになっていくと思う。

第47回:AI開発でも、結局プロジェクトマネジメントが重要になる

1. はじめに

独力+AI活用で月商1億円を目指している。

最近、開発用PC、確認用端末、ChatGPT、Cursor、自動テスト、ドキュメントを組み合わせながら、かなり本格的に開発を進めている。

AIを使うと、実装スピードは確かに上がる。

アイデアを整理できる。
実装指示を作れる。
コードを書ける。
テストも作れる。
ドキュメントも整備できる。
ブログ記事まで書ける。

ただし、ここまで進めてきて強く感じることがある。

AIを使うほど、プロジェクトマネジメントの考え方が重要になる。

AIがいるから管理が不要になるわけではない。
むしろ逆である。

AIを複数使い、PCも複数台使い、ドキュメントも増え、試験も増えてくると、役割分担、進捗管理、課題管理、不具合管理、制限事項管理、Close条件がないとすぐに混乱する。

最近、そのあたりの整備がかなり進んできた。


2. AIは作業者になるが、管理者ではない

AIは強力な作業者である。

しかし、AIはプロジェクト全体の責任者ではない。

AIは言われたことをやる。
ただし、たまにズレる。
実装してほしいのにドキュメントを直す。
YES / NOで聞いているのに曖昧に返す。
修正済みと言いながら、確認条件が弱い。
前提が変わっているのに、そのまま進めようとする。

だから、人間側が管理しなければならない。

自分はPMPの資格を持っていることもあり、プロジェクトマネジメントの考え方はかなり意識している。

人間のチームでも、役割、責任、進捗、課題、リスク、完了条件が曖昧ならプロジェクトは崩れる。

AIを使う場合も同じである。

むしろ、AIは速く動く分、管理が弱いとズレも高速で積み上がる。


3. 役割分担がかなり整理されてきた

現状、開発体制はかなり整理されてきた。

ざっくり言うと、以下の役割分担である。

領域役割
開発用PC実装、修正、ビルド、自動テスト、PR対応
確認用端末実機UI確認、シナリオ試験、スクリーンショット、再確認
ChatGPT方針整理、指示文作成、記事化、判断補助
Cursor実装作業、修正、テスト追加、ドキュメント更新
ドキュメント正本ルール、残課題、制限事項、試験結果、進捗記録

以前は、確認用端末にも実装をさせようとして、やや混乱した。

しかし今は、開発用PCを主戦場にし、確認用端末は常時並行開発ではなく、節目レビューや実機確認に寄せる形になっている。

これはかなり良い。

開発用PCは作る。
確認用端末は見る。
確認用端末がP0/P1を出す。
開発用PCが直す。
確認用端末が再確認する。

この流れが見えてきた。


4. 制限事項とブロッカー管理も整ってきた

最近かなり重要だと感じているのが、制限事項とブロッカー管理である。

試験をすると、いろいろな問題が出る。

ただし、それらを全部同じ扱いにすると混乱する。

本当に今すぐ直すべき不具合。
既に分かっている制限事項。
まだ未実装の範囲。
後回しにしている機能。
上流の問題が原因で確認できない下流工程。

これらを分けないと、同じ問題を何度も報告してしまう。

そこで、既知ブロッカーや制限事項を管理する台帳を整備した。

この台帳では、以下を整理する。

  • 既知ブロッカー

  • 制限事項

  • 何が何にブロックされているか

  • 再開条件

  • 開発残課題との関係

  • 後回し機能との関係

  • 開発用PCが対応すべきか

  • 確認用端末が再試験すべきか

これにより、確認用端末が同じ制限事項を毎回P0/P1として量産することを防げる。

また、上位ブロッカーが未解消なのに、下流工程を無理に何度も試験する無駄も減らせる。

これはかなりプロジェクト管理らしい整理になってきた。


5. 「Fixed」と「Confirmed」を分ける考え方

不具合管理で特に重要なのが、Close条件である。

開発用PCが直しただけでは、完了ではない。

開発側が修正した状態は、あくまで Fixed
確認用端末が再確認して、実際に解消を確認した状態が Confirmed

この考え方を明確にした。

これは非常に重要である。

開発側は「直した」と思っている。
でも、確認側で見ると直っていないことがある。
別の状態では再発することもある。
期待した改善と違うこともある。

だから、BOSPCが直しただけではClose相当にしない。
Surfaceが再確認してConfirmedになって初めてClose相当とする。

このルールが入ったことで、かなり品質管理らしくなってきた。


6. 重複指摘と無駄な再試験を防ぐ

確認用端末で試験を回すと、同じような指摘が何度も出る可能性がある。

たとえば、上流の問題が原因で後続画面に進めない場合、下流の確認項目が全部失敗する。

そのたびに新規P0を作っていたら、残課題が爆発する。

そこで、今は以下の考え方を入れている。

  • 同一不具合を重複登録しない

  • 上位ブロッカー配下の下流工程を無理に繰り返し試験しない

  • 制限事項を毎回P0/P1として量産しない

  • 上位ブロッカーが未Fixedなら、下流工程はBlocked byとして整理する

  • 別原因の問題なら新しいIDを採番する

これは、AIを使った試験運用ではかなり大事である。

AIは指示すれば真面目に試験してくれる。
しかし、前提を管理しないと、同じ問題を大量に報告することがある。

だから、試験そのものだけでなく、試験結果の整理ルールが必要になる。


7. 完了報告もかなり整ってきた

開発用PC側の完了報告も、かなり整ってきた。

今は、単に「作業しました」ではなく、以下のような項目を求めるようにしている。

  • 作業ブランチ

  • commit hash

  • push先

  • 変更ファイル

  • 実装内容

  • 実行した確認

  • 省略した確認と理由

  • 初期公開への進捗率

  • 正式公開への進捗率

  • 前回比

  • 根拠

  • 残り所要時間

  • リスク・未確認事項

  • 確認用端末で再確認すべき範囲

  • 指摘IDごとの対応状況

これは地味だが、かなり重要である。

AIの作業報告は、放っておくと都合よく省略されることがある。

だから、報告項目を固定する。

プロジェクトマネジメントでは、報告の型が重要である。
型があれば、比較できる。
抜け漏れに気づける。
次の判断ができる。


8. 新規ドキュメントを増やしすぎない判断も重要

以前は、何か新しい問題があるたびに、新規ドキュメントを追加しようとしていた。

しかし、最近は少し考え方を変えている。

新規ドキュメントを増やしすぎると、管理対象が増える。
どれが正本か分からなくなる。
AIも迷う。
人間も読むのが大変になる。

今回確認したところ、2台PC運用、制限事項、ブロッカー、Close条件、完了報告ルールなどは、既存ドキュメントにかなり反映されていた。

つまり、新しいドキュメントを追加するより、既存ルールの微修正で十分な状態になっている。

これは良い傾向である。

プロジェクト管理では、ドキュメントを作ること自体が目的ではない。

目的は、プロジェクトを進めること。
混乱を減らすこと。
判断を速くすること。
品質を上げること。

そのためには、ドキュメントも増やしすぎず、正本に集約することが大事である。


9. まだ軽微な整合課題はある

もちろん、まだ完全ではない。

細かい整合課題はある。

たとえば、ある参照ファイルが実際に存在するか確認が必要なケース。
また、以前の指標が一部残っていて、現在の方針と少し表現が揺れているケース。

こうしたものは大きな問題ではない。
しかし、AIに作業させる場合は、こういう小さな揺れが誤解の原因になる。

だから、今後は大規模な追加ではなく、既存ルールの微修正で整えていけばよい。

特に、主指標と補助指標の整理はしておきたい。

今は、初期公開への進捗率と正式公開への進捗率を主指標にしている。
以前使っていた確認版の進捗率は、必要に応じた補助指標に寄せた方がきれいである。

こうした細かい整合が、AI運用では効いてくる。


10. AI開発でもPMBOK的な考え方が効く

今回あらためて感じたのは、AI開発でもPMBOK的な考え方がかなり効くということだ。

たとえば、

  • スコープ管理

  • スケジュール管理

  • 品質管理

  • リスク管理

  • 課題管理

  • 変更管理

  • コミュニケーション管理

  • ステークホルダー管理

  • 進捗報告

  • 完了条件の定義

これらは、人間のプロジェクトだけでなく、AIを使った個人開発にもそのまま必要である。

むしろ、AIは高速で作業するため、管理の甘さがすぐに大きなズレになる。

AIに任せるだけではだめである。
AIを管理する必要がある。

その意味で、プロジェクトマネジメントの考え方は、AI活用の土台になる。


11. 現状はかなり良い形に近づいている

今の開発プロセスは、まだ完璧ではない。

しかし、かなり良い形に近づいていると思う。

開発用PCと確認用端末の役割が分かれてきた。
Surface報告があればP0/P1を優先し、なければ開発用PCは止まらず自走する。
既知ブロッカーと制限事項を台帳化した。
FixedとConfirmedを分けた。
重複指摘や無駄な再試験を防ぐルールも入ってきた。
完了報告にも進捗率、根拠、残り時間、リスクを含めるようになってきた。

これは、独力+AI活用としてはかなり実用的なプロセスになってきている。

単にAIにお願いしているだけではない。

AIを作業者として使い、PCを役割分担し、ドキュメントでルールを固定し、報告で検収する。

これは、かなりプロジェクトマネジメントそのものだと思う。


12. 今回の結論

AIを使った開発では、プロジェクトマネジメントの考え方が非常に重要である。

AIがあるから管理が不要になるのではない。
AIがあるからこそ、管理が必要になる。

役割分担。
制限事項管理。
ブロッカー管理。
残課題管理。
後回し機能の切り分け。
FixedとConfirmedの違い。
再試験範囲の限定。
完了報告の型。
進捗率と根拠。
残り所要時間。
リスクと未確認事項。

これらを整えることで、AI開発はかなり安定する。

現状、かなり反映できてきている。

新規ドキュメントを増やす段階ではなく、既存ルールを微修正しながら運用を固める段階に入っていると思う。

独力+AI活用で月商1億円を目指すには、アイデアや実装力だけでは足りない。

AIをどう管理するか。
複数端末をどう役割分担するか。
不具合をどう閉じるか。
試験結果をどう次の実装につなげるか。

そこまで含めて、プロジェクトである。

AI時代でも、結局プロジェクトマネジメントは強い。

むしろ、AI時代だからこそ、プロジェクトマネジメントがさらに重要になってきている。

第46回:既知ブロッカーと制限事項の台帳を作ることにした

1. はじめに

独力+AI活用で月商1億円を目指している。

最近は、開発用PCと確認用端末を分けて使う体制がかなり固まってきた。

開発用PCでは、実装、修正、自動テスト、ビルド確認、PR作成を進める。
確認用端末では、実機UI確認、シナリオ試験、スクリーンショット取得、試験報告を行う。

この分担はかなり有効だと思っている。

ただ、運用しているうちに、別の問題も見えてきた。

確認用端末が試験をすると、当然いろいろな問題が出てくる。
しかし、その中には、すぐ直すべき不具合もあれば、既に分かっている制限事項もある。
さらに、上流の問題が解消しない限り、下流の画面や操作を何度試しても意味がないケースもある。

このままだと、同じ問題を何度も報告してしまう。
既知の制限事項を毎回P0/P1として量産してしまう。
本来は上流ブロッカーを直すべきなのに、下流の現象ばかり追ってしまう。

そこで、既知ブロッカー・制限事項の台帳を作ることにした。


2. なぜ台帳が必要なのか

確認用端末の試験は重要である。

実際に画面を触ることで、自動テストでは拾いにくい違和感や導線の弱さが見えてくる。
シナリオ試験をすると、単体画面では分からない流れの詰まりも見つかる。

ただし、試験を増やすほど問題も起きる。

一番困るのは、既知のブロッカー配下で、同じような指摘が増え続けることである。

たとえば、ある上流処理が詰まっていて、そこから先の操作に進めない状態があるとする。

その状態で下流の確認を何度も行うと、

  • この画面に進めない

  • この操作ができない

  • この後続機能を確認できない

  • このシナリオが完走できない

という指摘が大量に出てくる。

しかし、根本原因は一つかもしれない。

その場合、本当に直すべきなのは上流ブロッカーであり、下流の指摘を大量に増やすことではない。

だから、既知ブロッカーとその影響範囲を台帳で管理する必要がある。


3. 残課題一覧とは役割が違う

ここで大事なのは、既知ブロッカー台帳は、残課題一覧の代わりではないということだ。

それぞれ役割が違う。

管理対象役割
既知ブロッカー・制限事項台帳試験可否、Blocked by、再開条件を管理する
残課題一覧開発用PCが実装する課題を管理する
後回し機能一覧初期公開では追わない機能や将来対応を管理する

これを混ぜると、運用が混乱する。

確認用端末が見つけた問題を、全部そのまま開発残課題に入れると、残課題一覧が膨れ上がる。
逆に、後回し機能として登録していたものが、実は主要導線を止めている場合もある。

その場合は、後回しではなく、ブロッカーまたは残課題として再分類しなければならない。

つまり、台帳の役割は、単に問題を増やすことではない。

何が試験を止めているのか。
何が既知の制限事項なのか。
何を直せば再試験できるのか。

これを整理することである。


4. 台帳で管理したいもの

今回作りたい台帳で管理するのは、主に以下である。

  • 既知ブロッカー

  • 制限事項

  • Blocked by 関係

  • 再開条件

  • 残課題一覧との関係

  • 後回し機能一覧との関係

  • 開発用PCが対応すべきか

  • 確認用端末が再試験すべきか

特に重要なのは、Blocked by 関係である。

下流の問題が、上流のどの問題によって確認不能になっているのか。
これを明確にする。

たとえば、ある初期導線が詰まっているため、後続の確認ができない。
この場合、後続の確認項目を全部P0にするのではなく、

上位ブロッカーが未解消のため、後続項目はBlocked byとして扱う

という整理にする。

これで、無駄な試験と重複報告を減らせる。


5. 状態を整理する

台帳には状態も必要である。

最低限、以下のような状態を使いたい。

状態意味
New新規に確認された状態
Blocked上位問題や環境不足などで確認できない状態
Fixed開発用PCが修正した状態。ただし再確認前
Confirmed確認用端末が再確認し、解消を確認した状態
Reopen再確認で未修正または再発を確認した状態
Backlog後回しにする状態
Won’t fix対応しない判断。理由必須
Limitation現時点の制限事項として扱う状態

ここでも重要なのは、FixedとConfirmedを分けることである。

開発用PCが修正しただけでは、まだ完了ではない。
確認用端末が再確認して、解消を確認して初めてConfirmedになる。

これは、前回考えたMarkdown運用のClose相当ルールともつながる。


6. 既知ブロッカー配下を何度も試験しない

今回の台帳で一番効果が出そうなのは、既知ブロッカー配下の再試験抑制である。

確認用端末が長編シナリオ試験をしていると、途中で詰まることがある。

そのとき、下流工程を無理に全部確認しようとすると、試験結果が膨大になる。
しかも、多くは同じ上流原因に起因する可能性がある。

だから、今後はこうする。

上位ブロッカーが未Fixedの場合、下流工程を無理に繰り返し試験しない。
下流工程はBlocked byとして記録する。
上位ブロッカーがFixedになった後、指定範囲だけ再試験する。

これにより、確認用端末の作業効率が上がる。

AIツールの消費も減る。
報告書も読みやすくなる。
開発用PCも、どこを直せばよいのか判断しやすくなる。


7. 既知の制限事項を毎回P0/P1にしない

もう一つ重要なのは、制限事項の扱いである。

現時点では、まだすべての機能や導線が完成しているわけではない。
そのため、今は確認できない範囲もある。

それを毎回P0やP1として報告してしまうと、開発側の優先順位が崩れる。

すでに分かっている未実装範囲。
意図的に後回しにしている範囲。
現時点では確認できない範囲。

こうしたものは、制限事項として台帳に記録する。

そして、同じ理由で毎回新規P0/P1にしない。

ただし、別原因の問題が見つかった場合は、新しい指摘IDを採番する。

この切り分けが重要である。


8. 台帳は確認用端末ではなく開発用PC側で準備する

今回の判断として、台帳とルール整備は、確認用端末ではなく開発用PC側で行うのがよい。

理由はシンプルである。

確認用端末は、検証担当である。
実機確認、シナリオ試験、スクリーンショット、再確認に集中させたい。

そこに管理設計や台帳構造の整備までやらせると、また混乱する。

以前も、確認用端末に広い裁量を持たせすぎると、実際の試験ではなく、テンプレート作成やドキュメント作業に寄ってしまうことがあった。

だから、今回は開発用PC側で台帳を準備する。

そのうえで、確認用端末は台帳を見て試験する。
開発用PCは台帳を見て修正する。
両方が同じルールで動く。

この形がよい。


9. 今回は実装しない

今回の作業は、アプリ本体の実装ではない。

UI修正もしない。
DB変更もしない。
E2E修正もしない。

やるのは、ドキュメント、台帳、Cursor指示文の整備である。

これは一見、地味な作業である。

しかし、今後の開発効率にはかなり効くと思っている。

試験結果、既知ブロッカー、制限事項、残課題、後回し機能が混ざったままだと、開発が進むほど混乱する。

今のうちに分類ルールを作っておくことで、後の試験と修正の流れがかなり楽になるはずである。


10. 繰り返し指示にも反映する

台帳を作るだけでは足りない。

今後の繰り返し指示にも反映する必要がある。

開発用PC向けには、以下のような内容を入れたい。

確認用端末の報告がある場合は、既知ブロッカー・制限事項台帳も確認する。
既知ブロッカーはID単位でP0/P1を優先する。
修正後はFixedとして、commit、修正ファイル、検証結果、再確認対象を明記する。
Blocked by配下の下流工程を個別に大量修正対象にせず、まず上位ブロッカーを解消する。
Close相当は確認用端末の再確認でConfirmedになった場合のみとする。

確認用端末向けには、以下のような内容を入れたい。

試験前に既知ブロッカー・制限事項台帳を確認する。
Blocked byの上位IDが未Fixedの場合、下流工程を無理に再試験しない。
制限事項に登録済みの内容は、同じ理由で新規P0/P1にしない。
別原因の場合のみ、新しい指摘IDを採番する。

これで、台帳が実際の運用に組み込まれる。


11. 台帳を作ることで期待する効果

今回の台帳で期待している効果は大きい。

期待効果内容
重複指摘の削減同じ問題を何度もP0/P1にしない
試験効率の向上上位ブロッカー配下を無理に繰り返し試験しない
優先順位の明確化まず直すべき上位ブロッカーが見える
開発側の判断改善残課題、制限事項、後回し機能を切り分けられる
確認側の負担軽減再試験範囲を絞れる
古い指摘の保全過去の報告やスクショを捨てずに扱える

特に、長編シナリオ試験では効果が大きいはずである。

途中で詰まったときに、下流工程を全部P0にしない。
上位原因を記録し、下流をBlocked byとして整理する。

この運用ができると、試験結果がかなり読みやすくなる。


12. 今回の結論

確認用端末と開発用PCの連携は、かなり形になってきている。

ただし、試験結果、既知ブロッカー、制限事項、残課題、後回し機能が混ざると、運用が混乱する。

そこで、既知ブロッカー・制限事項台帳を作ることにした。

この台帳は、残課題一覧の代わりではない。
後回し機能一覧の代わりでもない。

役割は、試験可否、Blocked by、再開条件、制限事項を管理することである。

開発用PCは、この台帳を見て上位ブロッカーを優先修正する。
確認用端末は、この台帳を見て無駄な下流試験を避ける。
修正後はFixed、再確認後にConfirmed。
ConfirmedがClose相当である。

今回はアプリ本体を直すわけではない。
しかし、これは今後の開発と試験を安定させるための重要な整備である。

AIと複数端末を使った開発では、作業量を増やすだけでは足りない。

何を試験するのか。
何が既知なのか。
何がブロッカーなのか。
何を後回しにするのか。
何が解消されたら再開するのか。

これを整理する必要がある。

今回の台帳作りは、そのための一歩である。

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